フェラーリのチームプリンシパル、マウリツィオ・アリバベーネが、来季レッドブルへのパワーユニット供給に関して前向きな発言を行った。
レッドブルとトロロッソはルノーと2016年末までパワーユニット契約を結んでいるが、昨年からの不振の影響で関係は悪化しており、今季末で契約を解消することが確実になったといわれている。レッドブルはメルセデスへのスイッチを希望していたものの、メルセデスF1チームはレッドブルの復活を恐れ、これに反対。レッドブルがエンジンパートナーとしばしば衝突してきたことも懸念し、本社ダイムラー会長のディーター・ツェッチェはメルセデスF1チームの上層部と話をした後、レッドブルとの契約の可能性を否定したといわれている。
レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコは、Bild紙に対し「メルセデス構想は終わった。他の選択肢を考えている」と発言している。
そのためレッドブルにとってフェラーリとの契約が唯一の現実的な選択肢となる。アリバベーネは、レッドブルにエンジンを供給した結果、手ごわいライバルとなるかもしれないが、競争は歓迎であると発言した。
「彼らのチームにはチーフデザイナーに(エイドリアン・)ニューエイというビッグネームが存在する。彼らにエンジンを提供すれば、恐るべきシャシーを作り出し、強力な競争力を発揮することは容易に想像できる」とアリバベーネが述べたとmotorsport.comが伝えた。
「だが我々のチームのエンジニアと空力担当者は自分の仕事をよく分かっている。従って(レッドブルにエンジンを供給することに)私としては問題はないと考えている。より強力なライバルが現れるのは競争の面でいいことだ」
「明日の朝すぐにでもレッドブルかトロロッソにエンジンを渡すというわけではない。しかし他のどのチームであっても、エンジンを供給することに何の問題も感じない」
「始まる前から恐れるのは競争の精神において正しいことではないし、フェラーリの精神に反する。我々は他のすべてのチームと戦う」
フェラーリは現在、ワークスチームの他に、ザウバーとマノーにパワーユニットを供給している。マノーは来季メルセデスエンジンにスイッチする可能性があることが分かっている。