トップへ

16年目の「LOVEマシーン」別バージョン・カバー図鑑――モー娘。の代表曲はどう歌われてきた?

2015年09月09日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

「LOVEマシーン」(zetima)

 モーニング娘。における最大のヒット曲でありグループの代表曲のひとつ「LOVEマシーン」がリリースされたのは1999年9月9日。本日で発売から16周年を迎える。


 このLOVEマシーンは、オリジナル以外のバージョン違いが多数存在することでも有名だ。モーニング娘。の別メンバーによる歌い直しバージョン、ライブでのセルフカバー、ハロプロ内の別グループによるカバー、ハロプロ外の別アーティストによるカバー等々……。今回の記事では、主に「レコーディングされ音盤として残された」別バージョンおよびカバーバージョンについて網羅・紹介していく。LOVEマシーンという楽曲の影響力の大きさをぜひ感じ取ってほしい。


■オリジナル


・[1999.09.09]モーニング娘。「LOVEマシーン」(zetima)


 今回の記事の起点となるアイテム。モーニング娘。7枚目のシングルとして発売された、作詞・作曲:つんく/編曲:ダンス☆マンによる、ディスコサウンドをベースにした永遠のポップチューン。


 オリジナル盤である[EPDE-1052]は現在廃盤となっており、2005年3月2日に新たに発売された[EPCE-5319]が現行盤ということになる。より正確に記述すると、娘。の初期のシングル8作にボーナストラック等を加え、さらにカラオケトラックも収録した9枚組CDボックス『モーニング娘。EARLY SINGLE BOX』が2004年12月15日に発売されたのだが、これをバラ売りしたうちの一枚が[EPCE-5319]である。


 ボーナストラックは「LOVEマシーン (Early Unison Version)」で、完成形とは異なるレコーディング途上のバージョンであり、メンバーの歌唱がユニゾンだったり、声ネタの配置が異なっていたりなどの違いが楽しめるレアトラックとなっている。


 オリジナルバージョンのLOVEマシーンは、このシングルの他に、2000年発売のオリジナル3rdアルバム『3rd -LOVEパラダイス-』や、2001年発売のベストアルバム『ベスト!モーニング娘。1』、さらに他のベストアルバムにも収録されている。


・[1999.10.06]モーニング娘。「LOVEマシーン」(zetima)※12inch


 シングル「LOVEマシーン」は、CDの他にもアナログレコードの12インチLP盤がリリースされている。収録曲はA面が「LOVEマシーン」「LOVEマシーン (Instrumental)」、B面が「LOVEマシーン (analog remix)」「LOVEマシーン (analog remix Instrumental)」の4曲。リミックスはKH-Rこと長谷川晃一郎が担当しており、7分1秒のフロアユースなハウスサウンドに衣替えされている。このリミックスバージョンは、2000年発売のハロプロのベストアルバム『プッチベスト ~黄青あか~』に収録され、CDでも視聴可能となった。


 また、B面最後にはシークレットトラックが隠されており、「じゃないっ(市井紗耶香)」「ダンシンオールオブザナーイッ(安倍なつみ)」「ラブマシーン…(矢口真里)」といった曲中の声ネタがバラで収録されている。


・[1999.10.14]モーニング娘。「ザ・ビデオLOVEマシーン」(zetima)※VHS


 こちらは音盤ではなく映像アイテムだが、関連リリースとして挙げさせていただく。LOVEマシーンの衝撃は楽曲のみならずそのミュージックビデオの完成度の高さに拠るところも大きく、当時の『ASAYAN』(テレビ東京)でのオンエアはインパクト大だった。こうして一曲単体のシングルビデオが発売されたことにより、そのインパクトがより世間に深く浸透していったのは間違いない。


■別バージョン


 続いて、ハロプロ関連アーティストたちによるカバーやリミックスなどの別バージョンのケースを見ていこう。


・[2002.06.26]高木ブーとモ-ニング娘。・ココナッツ娘。・藤本美貴・石井リカ「モーニング娘。シングルメドレー ~ハワイアン~」(zetima)


 2002年夏、ドリフターズのメンバーでウクレレ奏者としても名高い高木ブー、そしてハロプロメンバーたちの二者によるコラボ企画シングルがリリースされた。それが「モーニング娘。シングルメドレー ~ハワイアン~」である。曲名が示すとおり、娘。のシングル曲をハワイアンアレンジで編曲し、メドレー形式でカバーしたものである。選ばれた楽曲は「ザ☆ピ~ス!」「恋愛レボリューション21」など7曲で、LOVEマシーンも含まれている。ゆったりとしたテンポとリラックスした歌唱によるなごみ系な仕上がりだが、こうした企画盤が成立し得たところに当時のモーニング娘。およびハロプロの勢いを感じさせる。


・[2002.07.10]高木ブーとモ-ニング娘。・ココナッツ娘。・藤本美貴・石井リカ『ハワイアンで聴くモーニング娘。シングルコレクション』(zetima)


 シングルに続いてアルバム『ハワイアンで聴くモーニング娘。シングルコレクション』もリリースされ、こちらには「モーニング娘。シングルメドレー ~ハワイアン~」のほか、「ハッピーサマーウェディング」「真夏の光線」など楽曲単体のハワイアン編曲バージョンが収録、LOVEマシーンも3曲目に収められている。


・[2002.10.30]モーニング娘。・タンポポ・プッチモニ・ミニモニ。・後藤真希『CLUB Hello! TRANCE REMIX』(zetima)


 ハワイアンの次はトランス?とばかりに同年秋にリリースされたのがこちらの企画アルバム。上記5組の楽曲をトランステクノサウンドでリミックスした15曲入り。「LOVEマシーン (TRANCE REMIX)」は10曲目に収録。全曲のリミキサーとしてクレジットされているのは「WM PTARMIGAN」なる名義で、アルバムのプロデュースは月光恵亮。他にも同年12月リリースのX JAPANの同趣向アルバム『Trance X』9曲目などで同名義が確認できる。


・[2013.09.25]モーニング娘。『The Best! ~Updated モーニング娘。~』(zetima)


 時は流れ、LOVEマシーンリリース時のオリジナルメンバー全員が卒業した後でもモーニング娘。は存続しており、2013年にグループのシングル曲をEDM調サウンドで衣替えしたリアレンジベストアルバムをリリース。「LOVEマシーン (updated)」(編曲:平田祥一郎)はド頭1曲目に収録され、モーニング娘。の新時代フォルムアピールの象徴となった。


■カバー・バージョン


 続いては、ハロプロ外のアーティストによりカバーされた別バージョンをリリース順で一気に18タイトル見ていく。この他にもカバー・バージョンが存在する可能性はあるが、主要どころはすべて抑えているはずだ。


・[2000.01.21]嘉門達夫「替え唄メドレードラゴン」(DAIPRO-X)


 コミックソングを得意とする歌手・嘉門達夫が有名J-POP曲の歌詞を面白おかしく替えてカバーした「替え唄メドレー」でブレイクしたのが1991年。以降、様々な続編シリーズをリリースし続けてその数は2015年現在で約30タイトルにもおよび、そのうちのひとつが2000年発売の「替え唄メドレードラゴン」。


 タイトルのドラゴンはおそらくこの年の干支である辰年をふまえてのものと推測されるが、このメドレーでは浜崎あゆみ「Boys & Girls」、ポルノグラフィティー「アポロ」などと共にLOVEマシーンも替え歌対象となっている。ちなみに歌詞は「すっぽんの未来は(WOW WOW WOW WOW)/世界がうらやむ(Yeah Yeah Yeah Yeah)/鍋にしようじゃないか(WOW WOW WOW WOW)/ダシ ダシをとるコブがなーい」というもの。なお、同メドレーには同じハロプロの太陽とシスコムーン「ガタメキラ」も取り上げられている。


・[2000.03.23]KENNY JAMES TRIO『ジャズで聴く…つんく作品集』(トライエム)


 ジャズ・インストゥルメンタル・カバーの「ジャズで聴く」シリーズは桑田佳祐、竹内まりやなど多数リリースされているが、このアルバムはつんく楽曲に的を絞ったもの。LOVEマシーンの他、モーニング娘。「モーニングコーヒー」「真夏の光線」、太陽とシスコムーン「月と太陽」「宇宙でLa Ta Ta」、シャ乱Q「ズルい女」「いいわけ」、浜崎あゆみ「LOVE ~Destiny~」の計8曲を収録。


 KENNY JAMES TRIOは作曲家・神山純一プロデュースのピアノトリオで、メンバーは全員日本人で構成されている。


・[2000.04.05]ドーン・エラト『ヒットヒットマーチ2000』(ビクターエンタテインメント)


 運動会用のマーチング・インストアレンジアルバムにて、数々のJ-POPヒットと一緒にLOVEマシーンが取り上げられている。宇多田ヒカル「First Love」と共にアルバムの目玉楽曲として大きくクレジットされているのが当時の状況を物語っている。ドーン・エラトという名義の詳細は不明だが、他にも運動会用のCDアルバムを多数手がけているようだ。


・[2000.07.19]小原孝『TRY TRY TRY ピアノよ歌えスペシャル J-POP特集2000』(EMIミュージック・ジャパン)


 ピアニストの小原孝は、1995年より続いている「ピアノよ歌え」シリーズにて、国内ポップスのピアノ・インスト・カバーを行っている。2000年リリースの本アルバムでは宇多田ヒカル、B'z、プッチモニ「ちょこっとLOVE」などと共に、「恋のダンスサイト~LOVEマシーン」のメドレーで取り上げられている。


・[2000.11.18]加羽沢美濃『ピアノ・ピュア~メモリー・オブ・2000』(日本コロムビア)


 こちらは女性ピアニストによるピアノ・インスト・カバーアルバム。モーニング娘。は「ハッピーサマーウェディング~LOVEマシーン~I WISH~恋のダンスサイト」のメドレーとして取り上げられている。


・[2001.12.19]V.A.『カバー・モーニング娘。! ~Various Artist Covers “MORNING MUSUME。”!~』(ポリドール)


 海外のミュージシャンによるモーニング娘。楽曲の英語詞カバーアルバム。ポリドールからのリリースだが、つんく監修によるハロプロ公認作品である。8曲目収録のLOVEマシーンカバーを歌っているのは女性ボーカリストのデビー・フレンチ。同アルバムには他に米R&B/ソウル女性ボーカルグループであるアン・ヴォーグのメンバーの一人シンディ・ブラッグスが歌う「ザ☆ピ~ス!」、英フュージョンバンドのシャカタクによる「モーニングコーヒー」インストカバーなどを収録。


 同コンセプトで、今度は娘。以外のハロプロ楽曲にも範囲を広げた第2弾『カバー・モーニング娘。ハロー!プロジェクト!』(ユニバーサルJ)が2002年発売。そしてこの二つをまとめた2枚組アルバム『Hip Hits! MORNING MUSUME. HELLO! PROJECT INTERNATIONAL COLLECTION』(ユニバーサルJ)は2003年にリリースされている。


・[2002.01.01]V.A.『殺害カバーオムニバス3 大熊小鹿馬場鶴田蛾次郎』(殺害塩化ビニール)


 ロックバンド「猛毒」を中心としたインディーズ音楽レーベル「殺害塩化ビニール」。そのレーベル所属バンドや周辺バンドたちによる、有名曲のカバーを集めたオムニバスアルバムシリーズの第3弾が本作で、KEN@毒テロ名誉会長(バンド・毒殺テロリストのメンバーと思われる)による「超淫語娘。女奴隷(モーニング娘。替え歌メドレー)」を収録。LOVEマシーンをはじめとした娘。のヒット曲を淫語歌詞で替え歌したメドレーカバーとなっており、本記事で紹介した中ではもっともカルトな一作だろう。


 なお、前作にあたる同オムニバスアルバム第2弾『大熊小鹿馬場鶴田2』(2000年)では、腐乱シュタイナーがプッチモニ「ちょこっとLOVE」をカバーしている。


・[2003.10.01]ザ・マイクハナサーズ「ゼッタイ歌いたい!幸せになれるスーパーLOVE2メドレー」(ソニー)


 80年代後半のカラオケが普及し始めた時期を背景に登場したのが、覆面ユニットのザ・マイクハナサーズ。「男と女のラブゲーム」「もしかしてPARTII」といった当時の有名デュエット歌謡曲をメドレーでカバーした1988年作「わたしたちどうするの?」がヒットした。以降も続編的なリリースがいくつかあるが、2003年にシングル6タイトル同時リリースしたうちのひとつがこの「ゼッタイ歌いたい!幸せになれるスーパーLOVE2メドレー」。プッチモニ「ちょこっとLOVE」、宇多田ヒカル「traveling」などと共にLOVEマシーンもメドレーに組み込まれている。なお、このシングルはCCCD(レーベルゲートCD)仕様。


・[2008.12.03]スコット・マーフィー『ギルティ・プレジャーズ3』(ユニバーサルJ)


 米パンクバンド・アリスターのフロントマンであるスコット・マーフィーは日本通で、2006年リリースのアルバム『ギルティ・プレジャーズ』ではスピッツ「チェリー」やサザンオールスターズ「TSUNAMI」をカバーして話題を呼んだ。バンドの活動休止後は、スコットのソロ名義で『ギルティ・プレジャーズ』の続編アルバムを制作。第3弾となる本作でLOVEマシーンが取り上げられた。メロコアパンク風サウンドに日本語詞でのカバーとなっているが、なんとゲストとしてモーニング娘。OGの中澤裕子・安倍なつみ・保田圭がコーラス参加している。


・[2009.04.**]AFTER SCHOOL「Dream Girl」(CJ E&M Music)


 2009年デビューの韓国女性歌手グループ・AFTER SCHOOL。同年4月より行われた「ハロー!プロジェクト韓国オーディション」のテーマソングとしてLOVEマシーンがカバーされた。曲名は「Dream Girl」に変更され、韓国語詞、K-POPマナーなサウンドによるカバーとなった。音源化リリースはされておらず、YouTubeの公式ミュージックビデオのみで試聴可能となっている。なお、ハロプロ韓国オーディションはチャン・ダヨンが唯一の合格者。


・[2009.06.24]東京佼成ウインド・オーケストラ『ブラバン!甲子園3』(ユニバーサル)


 高校野球の定番、ブラスバンドによる吹奏楽カバー応援歌を集めた「ブラバン!甲子園」シリーズ第3弾にてLOVEマシーンが取り上げられている。アルバムは全40曲収録で、ハロプロには直接関係ないが、「残酷な天使のテーゼ」「タッチ」の2曲にはそれぞれ高橋洋子、岩崎良美がゲストボーカル参加。また、シリーズすべてのジャケットイラストはマンガ家の柏木ハルコ描き下ろし。


 なお、LOVEマシーンを取り上げた同種の吹奏楽カバーには、2015年4月22日発売の航空自衛隊航空中央音楽隊『究極の吹奏楽~伝説編』(EIGHT COMPANY)もある。


・[2009.10.07]RIKI『全国制覇』(rhythm zone)


 俳優の竹内力が、双子の弟という設定のキャラ「RIKI」名義で歌手デビューしたのは2007年。そして2009年リリースの1stアルバム『全国制覇』にて、「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~」としてカバーされた。このリリース時期のRIKIは、暗い世相の日本に喝を入れるべく「日本リーゼン党」を旗揚げして、ハッスルに参戦したりなどの活動を行っており、LOVEマシーンカバーもその一環。つんく♂から“替え歌までもOK”という許諾を取ってのカバーで、新しい歌詞で歌われている。


 アルバムはDVD付き限定盤と通常盤の2種仕様で、DVDには「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~」ミュージックビデオが収録された。また、2010年リリースのDJ KAYAによるコンピレーションアルバム『JAPANATION』(rhythm zone)には、リミックスされた「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~ (DISCO HOUSE MIX)」が収録されている。


・[2010.07.05]TVアニメ『世紀末オカルト学院』


 2010年夏アニメ『世紀末オカルト学院』は、世紀末の1999年が舞台となっているため、毎回の次回予告では99年前後のヒットJ-POPを登場キャラクターがカバーして歌う、という趣向だった。第2話予告(第1話の最後にオンエア)では主人公の神代マヤ(CV:日笠陽子)がLOVEマシーンを歌った。他の回では鈴木あみ「BE TOGETHER」、PUFFY「アジアの純真」などが取り上げられている。


 また、最終第13話予告(第12話の最後にオンエア)では再びLOVEマシーンが取り上げられたが、今度は主要キャスト6名による「笹塚エクソシスターズ」が歌唱を担当。参加声優の内訳は神代マヤ(CV:日笠陽子)、黒木亜美(CV:高垣彩陽)、成瀬こずえ(CV:花澤香菜)、中川美風(CV:茅原実里)、川島千尋(CV:小林ゆう)、岡本あかり(CV:水瀬いのり)。ちなみにカバー版トラックの編曲はElements Gardenの菊田大介。


 この2曲の音源は、アニメBlu-ray/DVDの特典CDに収録されている。日笠陽子ソロバージョンはBlu-ray/DVD第1巻付属特典CD、6人バージョンはBlu-ray/DVD第1巻~第3巻の連動購入特典CDにそれぞれ収録となった。なお、次回予告の動画はアニメ公式サイトにて視聴できる。


・[2011.10.26]V.A.『メロコア女子流』(tearbridge)


 J-POPヒットチューンを女子ボーカルのメロコア・スカコアバンドがパンクカバーした企画アルバム。Yum!Yum!ORANGE、SKULL CANDYなどが参加しており、LOVEマシーンをカバーしているのはBUNNY THE PARTY feat. AGC38。BUNNY THE PARTYは2005年より活動中のロックバンド。フィーチャリング参加のAGC38とはアニメ制作会社の旭プロダクションによるメディアミックス企画で、声優38人が美少女キャラを演じているのが企画名の由来。そのACG38から7名がこのカバーに参加した。


 なお、続編アルバム『メロコア女子流 EVERGREEN編』(tearbridge)はBUNNY THE PARTYの単独作となっており、こちらではプッチモニ「ちょこっとLOVE」、松浦亜弥「Yeah! めっちゃホリディ」がカバーされている。


・[2012.05.23]ジャネット・ケイ『アイドルKAY』(ユニバーサル)


 米レゲエ/ラヴァーズ・ロック女性歌手のジャネット・ケイによる企画カバーアルバムで、監修はつんく♂。キャンディーズ「年下の男の子」、松田聖子「赤いスイートピー」、Wink「淋しい熱帯魚」といった歴代のアイドル楽曲が選曲されており、その中にLOVEマシーンも含まれている。


 サウンドはスローテンポのレゲエ調で、英語詞によるカバー。アルバム中、この曲のみモーニング娘。OGの高橋愛がフィーチャリング参加しており、コーラスというよりはデュエット歌唱で、2番サビや落ちサビでは高橋の独唱パートもある。また、アルバムのボーナストラックとして「LOVEマシーン (Soft Punk MIX)」も収録。


・[2013.07.24]Dancing Dolls「DD JUMP」(MASTERSIX FOUNDATION)


 5人組女性アイドルグループ・Dancing Dollsは2012年デビュー。1stシングルからの3枚は「サンプリング三部作」と題し、有名曲をモチーフにして新たな楽曲に仕立て直すという手法を採っていた。3rdシングル「DD JUMP」ではそのモチーフにLOVEマシーンが選ばれた。2010年代型エレクトロダンスサウンドな楽曲フォルムのはしばしにLOVEマシーンの姿が見え隠れしつつ、「日本の未来に 踊らされるな」という新たな歌詞フレーズも盛り込まれているなど面白い仕上がりを見せている。


 そもそも、曲名の「DD JUMP」には、グループ名「Dancing Dolls」の頭文字略称、またはアイドルヲタ用語の「DD(誰でも大好き)」、さらに後藤真希の弟のユウキとソニンのデュオグループ「EE JUMP」と、二重三重の文脈が交錯しているのも面白い。


・[2013.11.27]Goose house「LOVEマシーン」


 個々のシンガーソングライターが「ハウス」と呼ばれる部屋に集い、オリジナル曲やカバー曲を配信で発表していくというスタイルが斬新なグループ・Goose house。2014年の2ndシングル「光るなら」がTVアニメ『四月は君の嘘』OPテーマに起用されたことで知名度が飛躍的に向上した感があるが、彼らがYouTube上に公開している膨大なカバー曲演奏動画の中にもLOVEマシーンがある。アップされたのは2013年11月下旬で、アコースティック・ギター主体の躍動感あふれるカバー風味が新鮮。


 また、同年7月には「恋愛レボリューション21」もカバーされている。


・[2015.01.01]ギルド「LOVEマシーン」(Zany Zap)


 ギルドは、2009年より活動中のロックバンド。所属事務所はユークリッド・エージェンシーで、ゴールデンボンバーは事務所の先輩にあたる。2015年はカバー曲主体での活動を行うこととなり、元旦リリースのシングルでLOVEマシーンをカバー。オリコン週間チャート初登場3位を記録した。スピード感あふれるロックサウンドと、有名人(のそっくりさん)が多数出演のミュージックビデオが印象的。


 同年7月リリースのミニアルバム『夏祭り』にはLOVEマシーンは未収録だが、JITTERIN'JINN(またはWhiteberry)「夏祭り」、T.M.Revolution「HOT LIMIT」、松浦亜弥「Yeah! めっちゃホリディ」の3曲がカバー収録されている。


 以上18タイトル、LOVEマシーンを触媒とし様々な音楽ジャンルが展開しているさま、そしてLOVEマシーンがスタンダード・ナンバーとして定着していくさまが見て取れたことと思う。今後もどんな趣向のカバーが誕生するのか、楽しみである。


■カバー・バージョン(映像編)


 それでは最後に、ハロプロ外アーティストによるライブでのカバーについて簡単に触れて記事を終えよう。レコーディングまでは行かなくても、コンサートの一コーナーなどでLOVEマシーンをカバーしているようなケースはおそらく多数にのぼると思われる。ここでは有名な3つの例を挙げる。


 まずはサザンオールスターズの桑田佳祐によるカバー。毎年恒例のチャリティーライブ「Act Against AIDS」、2000年にパシフィコ横浜で行われた回では「桑田佳祐が選ぶ20世紀ベストソング」と題し、洋邦問わず古今東西の名曲28曲を熱唱。LOVEマシーンはアンコール前の本編最後に披露された。このライブは当時CSなどでテレビ放送されたものの、DVD等のソフト化はされていない。


 続いて挙げたいのは織田裕二。俳優のみならず歌手としても活動している織田だが、2003年のコンサートツアー「COLORS」では、中盤のカバーソングコーナーでLOVEマシーンを披露。元ネタ曲のひとつであるバナナラマ「ヴィーナス」からのメドレーで続けて歌うという遊びを見せた。このライブは『YUJI ODA CONCERT FILM 2003“COLORS”/2001“今、ここに僕はいる”“U-kai”』(ユニバーサル)のタイトルでDVDソフト化されている。


 そして近年で有名なライブカバーといえばBABYMETALだろう。2013年6月30日、NHKホールでの「LEGEND "1999" YUIMETAL & MOAMETAL 聖誕祭」にて、「ちょこっとLOVE」「LOVEマシーン」の2曲がヘヴィメタルアレンジで歌われた。このライブ映像はBlu-ray/DVD『LIVE~LEGEND 1999&1997 APOCALYPSE』(BMD FOX RECORDS)に収録されている。(ピロスエ)