2度の世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンのマーカス・グロンホルムは先週、WRCで2017年から採用される新規定に沿ったフォルクスワーゲン・ポロR WRCの初期バージョンのテストを行った。
2017年から適用される新規定では、エンジン出力が引き上げられ、リヤウイングやボディ幅が大型化。より速く、よりアグレッシブな外観を持つWRカーが登場する。
今回のテストはフィンランド・ユバスキュラ近郊で行われ、グロンホルムは3日間に渡り17年規定を採用した開発段階のマシンをドライブした。
フォルクスワーゲン・モータスポーツ代表のヨースト・カピートは、17ヶ月後に強力なマシンをデビューさせるため、一刻も早く開発に着手することにしたと語った。
「予定を前倒ししてテストを行っている。今回テストに使用したマシンには14年型ポロR WRCをベースとして、開発初期段階の17年型空力パーツを装着した」とカピート。
「高速ステージでマシンがどんな挙動を示すのかが知りたかった。だから、フィンランドをテストの場に選んだんだ。マシンがワイドになり大型のフロントスプリッターも装着されたが、マシンの見た目は良いと思う。ただ、現時点では現行規定マシンと大きな違いは感じられなかったよ」
「2017年までには、この印象も変わっていくだろう。今回のテストでは、風洞実験も行っていないパーツを数点付けただけだからね」
テストを担当したグロンホルムは、「チームは僕がしゃべりすぎないよう望んでいる」とフォルクスワーゲンから詳細なコメントをしないよう求められていると明かしつつも、「マシンの感触は良かったよ」とコメント。また、15年型ポロR WRCとの比較を行う機会を提供されたが、辞退したことも明らかにした。
「3日間のテストをフルに使いたかった。だから、現行マシンとの比較はできなくなってしまうけど、15年型マシンをドライブすることを辞退したんだ」
「マシンのフィーリングは良かった。いくつか大きな変更が加えられていたし、細かな点はたくさん変更されていた。もちろん、エンジンサウンドも素晴らしかったよ。チームは正しい方向へ開発を進めている」