不安、焦り、怒り…。仕事でもプライベートで、こういった感情を抱えることはあるだろう。でも、うまくやっていくために抑えて過ごしているものだ。また、働く女性は、男性とはまた違った視点の悩みもあるかもしれない。
では、どうしたら感情を整理して、「伸びる女性」になれるのだろうか。
『伸びている女性がやっている 感情整理の新ルール』(関下昌代/著、KADOKAWA/刊)は、悩みを持つ女性に向けて、テレビ局受付、県庁秘書課、シティバンク人事、大学講師など様々な職種でキャリアを積んできた著者の関下昌代氏が、自分らしく生きるための感情の整え方を紹介する。
本書では、「自分の感情と上手に付き合える女性」「ネガティブな感情も受け入れる女性」「どんなときも味方作りが得意な女性」「八方塞がりからちゃんと脱出する女性」「伸び悩みからチャンスをつかむ女性」「自分の軸がある女性」の6つの章から、女性の感情の整え方を関下氏の経験談を交えながら読むことができる。
例えば、自分の軸がある女性。コンプレックスは使い方次第で、魅力的にもなるという。関下氏は、新聞やニュースで、スポーツ選手の記録更新の快挙を目にする度に、心の中で「あ、その上左衛門の登場だ!」とつぶやくという。
これは関下氏の祖母の口ぐせだったそうで、何ごとにおいても「その程度のことで喜んではいけない。世の中には、必ずその上をいく『その上左衛門』がいるのだから」と釘を刺した。謙虚さを忘れると人は向上しなくなると、祖母は根気強く孫に刷り込んだのだった。
そして、外資系の銀行に転職したとき、英語が苦手だった関下氏は劣等感のかたまりだった。関下氏以外の人が、その上左衛門だったのだ。
どんなに勉強しても、その上左衛門はいなくならない。でも、そんな関下氏の英語コンプレックスは役に立つことになる。社員研修の担当になったとき、日本語を身につけようと必死に勉強する外国人の気持ちが痛いほどわかったのだ。彼らにとっていかに適切なプログラムを提供していくか発案できたとき、「人より劣っていると感じるコンプレックスは、神さまからの贈り物」だと思ったという。
「今はいい位置にいても、いずれ、その上左衛門がやってくる」と謙虚な姿勢で、弱点を楽しみながら補強しようとすると、そのコンプレックスが役立つ日がくるかもしれないのだ。
仕事で何か失敗したり、人間関係で悩んでいるなど、うまくいかないことは誰にでもある。そのとき、自分を見失わずに、感情を整えることができるかで、生き方も変わっていくのかもしれない。本書から、自分の感情とうまく付き合うためのヒントを得ることができるはずだ。
(新刊JP編集部)