先週末に行われたふたつのラリーイベントで観客とドライバーが死亡する事故があったことを受け、FIA会長のジャン・トッドは9日水曜日に緊急会合を招集する。
5日、スペイン北西部のラ・コルーニャで行われたラリーでは、ルジオ・タベアージョ・サンデがドライブするプジョー208が高速左コーナーでコースオフ。観客を巻き込む形でクラッシュし、6人の観客が死亡し、10名以上の負傷者が出ている。また、同じ週末にフランス・モンブランで行われたラリーでは、シトロエン・クサラWRCをドライブしていたフランス出身のフレデリック・コンテがクラッシュし死亡するアクシデントも発生している。
ふたつの事故を受け、FIAは声明文を発表。9月9日にラリーの安全対策に関する緊急会合を招集することを明らかにした。
「9月9日にイタリア・ジェノバで緊急の会合を招集する。会合の目的は先日起きた悲惨な事故を検証すること、今後のラリー競技で観客とドライバーの安全性をより高めるために、あらゆる可能性を模索することである」
ラリーでは今年5月にも観客が死傷する事故が起きている。オーストラリア西部で行われたドネリーラリ―では6歳の子どもが亡くなり、エストニアのハルユラリーでは3人の観客が亡くなっている。
2度の世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンであるカルロス・サインツは、スペインの事故現場を訪れ、ラリー競技の安全性向上に貢献したいと語った。
「このような事故が2度と起きないようにしなければいけない」とサインツ。
「(スペインの)事故現場は知らない場所だ。ラ・コルーニャラリーに出場したこともない。しかし、現場を訪れて何が起きたか調べるつもりだ」
サインツはラ・コルーニャラリーが置かれている状況は知らないと強調したうえで、ラリー競技の運営方法に抜本的は改革が必要であると述べた。
「(競技車両が走行する前にコースを最終確認する)ゼロカーはステージキャンセルも含めた厳しい判断を下さなければならない。あまりに観客が多いようであれば、そのステージはキャンセルされるべきだ」
「WRCや国際規格のイベントでは、立ち入り禁止エリアを設けて、観客が入らないよう監視員も立てている。しかし、これは十分な資金や人員があるから可能なことだ」
「小さなイベントには人員や資金不足から、こういった対処をできないところもあるだろう。しかし、仮に人出が足りなくても、誰かが厳しい判断を下さなければいけない」