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中谷美紀が妻・愛人・愛人の娘の3役、舞台『猟銃』再演

2015年09月07日 13:20  CINRA.NET

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『猟銃』2011年初演時の公演風景 撮影:阿部章仁
舞台『猟銃』が、2016年4月に東京・渋谷のパルコ劇場で上演される。

同公演は、カナダの演出家フランソワ・ジラールが演出を担当し、中谷美紀の初舞台となった2011年の公演の再演。フランソワ・ジラールは、演出家としてシルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』なども手掛けたほか、映画監督として『レッド・バイオリン』や、9月11日に公開される『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』といった作品を発表している。

『猟銃』は、1人の男の13年間にわたる不倫の恋を、妻、愛人、愛人の娘が書いた3通の手紙から浮き彫りした井上靖の同名小説が原作。今回の公演では、初演時に引き続いて中谷が男の妻・みどり、愛人の彩子、彩子の娘・薔子の3役を演じるほか、手紙を送られる男役をロドリーグ・プロトーが続投する。なお中谷は、同作の初演時に『第19回読売演劇大賞』優秀女優賞、『第46回紀伊國屋演劇賞』個人賞を受賞している。

チケット情報などの詳細は後日発表。また、5月からは地方公演も予定されている。

■中谷美紀のコメント
2011年の時は、初舞台でしたので、その時できる限りの力で精一杯演じさせて頂いたつもりだったのですが、2013年に出演した『ロスト・イン・ヨンカーズ』、そして、2015年『メアリー・ステュアート』を経て様々な役者さん方とご一緒させていただき、多くのことを学ばせていただいた今から振り返ると、2011年の『猟銃』は、まだまだ拙かったなと反省することも沢山あり、今度こそよりよき『猟銃』をご覧に入れたいと思い、再演に至りました。
演出のフランソワさんは、男性性と女性性を共に持ち合わせた、情熱豊かな方です。
初舞台で右も左もわからなかった私を導いてくださった、まさに父のようでもあり、また母のようでもある...そんな温かさを持っていらっしゃいます。フランソワさんがいらっしゃらなかったら、今頃、私は舞台には立つこともなかったと思います。私の新たな世界の扉を開いてくださった、大切な方です。
前回は、まず人前で演じるということに対し必死で、また台詞を覚えることにも必死で、毎日が緊張の連続でしたし、自分の体力と精神力の戦いで、ゆとりが全くありませんでした。
今回再び臨ませて頂くからには、一人一人のキャラクターと言葉にもっと大切に向き合いたいと思っています。すべての言葉に対し、真剣に向きあい、咀嚼して、丁寧にお客様にお伝えしたいと思っています。

■フランソワ・ジラールのコメント
2011年の「猟銃」は美紀さんの初舞台でした。初めて舞台に立つ美紀さんとご一緒するというのは、得難い経験でした。
その初演は本当に素晴らしいものでしたが、それからさらに舞台での経験を重ね、どのようなスキルを身につけられたのかということに、とても興味があります。
この作品では、女優にとっては信じ難いほどに難しい、同じひとつの作品で三人を演じるということをしなければなりません。一人から別の一人へと変身しなければならないのです。
それは美紀さんにとっても、私にとっても挑戦でした。その変身を可能にする仕事はとても楽しかったですね。
私は映画も監督しますが、映画は一度作ってしまったら、もう一度戻るということはありません。でも、演劇の好きなところは、いつでももう一度立ち返って、改善したり、変えたり、新しい視点を持ち込むチャンスがあるとことです。ですから、再演はいつでも楽しいですね。もちろん、また美紀さんと仕事をするのも。前回の初演をご覧になってない方は、今回が中谷美紀さんのマジックをご覧になるチャンスです。