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スーパー耐久第5戦岡山:5号車MACH MAKERS GT-Rが今季初優勝。3号車ENDLESS ADVAN BMWが一戦残して王者獲得

2015年09月07日 13:11  AUTOSPORT web

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路面コンディションを素早く読んで今季初優勝を飾った5号車MACH MAKERS GT-R
スーパー耐久シリーズ第5戦が9月5、6日に岡山国際サーキットで行われ、ウエットコンディションから開始され決勝レースは、徐々に回復していく路面状態に対し素早く的確な対応を見せた5号車MACH MAKERS GT-Rの白井剛/青木孝行/藤波清斗組が今季初優勝を飾った。2位でゴールした3号車ENDLESS ADVAN BMWのYUKE TANIGUCHI/元嶋佑弥組が、最終戦を待たずST-Xクラスの王座を獲得した。

 5日の予選でポールポジションを獲得したのは24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-R(星野敏/藤井誠暢/高星明誠組)だった。予選の最速タイムは、またも16号車REAF REAL ESTATE KiiVA BMWの片岡龍也がマークしたが星野と藤井の合算タイムが優って、今季初のポールポジションを獲得。しかしながら、雨こそやんでいたがウエットコンディションに転じた決勝レースでは、GT-Rの持ち味が活かされず。3周目から片岡がトップを走行し、そのまま逃げ続けていた。

 勝負の分かれ目となったのは、徐々に回復していく路面に対し、素早くドライタイヤを投入できたか否か。「僕の独断と偏見で」と4番手を走行中に青木は判断、いち早く第2スティントを担当する藤波に、ドライタイヤを履かせることとなった。ライバルはドライバー交代を終えてもウエットタイヤで走り続ける中、しっかりタイヤに熱が入ると、藤波は10秒近い大差で周回を重ねるように。あれよあれよと言う間に順位を上げて、藤波はトップに浮上。大量に築き上げたマージンを、最終スティントを担当した白井がしっかり守り抜き、MACH MAKERS GT-Rが初優勝を飾ることとなった。

「最初のうちは怖かったんですが、2周もするとまわりと同じペースで走れるようになって、そこから先はもう(笑)。ただ、トップに立ってからは慎重に。前回のレースは当たって、すべてを台無しにしていたものですから。やっと勝てた……という感じです」と藤波。

 一方、ランキング2位のスリーボンド日産自動車大学校GT-Rは中盤のクラッシュによって、7位に留まり2位でゴールしたENDLESS ADVAN BMWの戴冠が早くも決定した。

「ENDLESSに加わって、今年で10年目。その節目に総合のチャンピオンが獲れて、最高の恩返しができたように思います」と峰尾。

 まだチャンピオンが決まっていなかったST-2クラス。完走さえ果たせば今度こそ決定となる59号車DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/松田浩司/吉田寿博組は予選もトップだったが、決勝ではいきなり原因不明のエンジン不調に見舞われる。3番手に後退したこともあり、完走狙いで周回を進めていくが、やがてトップを走行していた20号車RSオガワADVANランサーの下垣和也/松本武士組が電気系トラブルでリタイアすると、「欲も出てきた」と松田。徐々に6号車新菱オートDIXCELエボXの冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組を追いつめ、中盤に逆転。そのまま逃げ切って4連勝を達成するとともに3連覇も達成した。

 ST-3クラスでは、38号車ムータレーシングTWS IS350の植田正幸/阪口良平/堀田誠組が予選でトップ。いつものように阪口が逃げたが、まるで仇を討つかのように、代わった植田と堀田にライバルたちは鞭をくれる。そして、ラスト4分までトップを走ったのは39号車SARD Racing RC350の柴田優作/平手晃平/片山義章組だったが、どうやらマージンは十分ではなかったよう。土壇場で逆転を果たし34号車asset ingsテクノRC350の前嶋秀司/佐々木雅弘/佐藤公哉組が今季トータルでは3勝目ながら、RC350での初優勝を飾った。「嬉しいけど、力でねじ伏せた勝利じゃないから。でも、今後はそういうレースを絶対お見せします」と前嶋。

 ST-4クラスでは今季初優勝に向け、レースを大きくリードしていた86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の蒲生尚弥/井口卓人/松井孝允組が、終盤に後方からの追突を受けるハプニングが発生。代わってトップに立ったのは、58号車ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5の小林康一/塩谷烈州/辻佐起子組。「天気に助けられました。路面が濡れているうちに、トップから大きく遅れなかったのは効きましたね」と小林。

 一方、ランキングトップの52号車埼玉トヨペットGreen Brave 86を駆る番場琢/服部尚貴/平沼貴之組はエンジントラブルに見舞われリタイア。2位でフィニッシュしたのは、13号車ENDLESS ADVAN 86の山内英輝/村田信博/島谷篤史組で、埼玉トヨペットGreen Brave 86とは同点で並んで最終戦に挑むこととなった。

 ST-5クラスでは、すでにチャンピオンを決めている69号車BRP★J’S RACINGフィットを駆る、大野尊久/梅本淳一/赤星雄太郎組が凱旋に成功。濡れた路面の中、タイヤの内圧が上がらぬうちは順位を下げたが、しっかり合うようになると次第にポジションをアップ。そしてトップに浮上すると、まるでパレードのような走りを見せることとなった。

「チームが勝ちパターンを覚えたから、順位を落としても大野も、チームも誰も焦らなかった。とはいえ、チャンピオンになった後のレースで恥ずかしい走りはできないので、実は僕だけがプレッシャーを感じていました(笑)。だからこそ勝てて、よけいに嬉しい」と梅本。

 5クラス中3クラスですでにチャンピオンが決定し、最終戦鈴鹿での照準はST-3クラスとST-4クラスの王座争奪戦に向けられた。どんなドラマが待ち構えて、どのチームが栄冠をつかむのか、大いに注目される。

(はた☆なおゆき)