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嵐はなぜ“身近な存在”と感じられるのか 新曲のダンス&歌詞から考えてみた

2015年09月05日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 嵐が9月2日にリリースしたシングル『愛を叫べ』が、9月1日付のオリコンデイリーCDシングルランキングで推定売上げ枚数242,023枚を記録し、1位に輝いた。表題曲「愛を叫べ」は、リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」CMソングにもなっているウェディングソング。耳馴染みがよく、つい口ずさんでしまうようなアイドルポップ路線らしい楽曲となっている。(参考:嵐は「恋愛対象」を超えた存在に? 新しいウェディングソングが示すアイドルとしての現在地


 同作は「ダンスを楽しむ」ことにポイントを置かれた楽曲だ。初回限定盤には特典DVDが付属されており、ビデオ・クリップ、メイキング、振付ビデオという3パターンの映像が収録されている。


 ビデオ・クリップでは、結婚パーティーに飛び入り参加して参加者とダンスを披露する嵐の姿や、振付を解説する映像を収録していることからも、今回の楽曲はまさにみんなで“踊る”ことを想定した作品といえるだろう。メンバーの大野も自身がパーソナリティを務めるラジオ『嵐・大野智 ARASHI DISCOVERY』(FM横浜)の中で「みなさんに踊りを覚えてもらうために『”愛を叫びたくなる" 振付ビデオ』で、メンバーをさまざまな角度から撮影しました。結婚式の二次会などで踊ってほしい。絶対盛り上がるよ」などとコメントしている。


 今回の“嵐史上最もキャッチー”ともいえるダンスを担当したのは「左(hidari)」という振付集団だ。彼らはこれまでも嵐のコンサートツアーや、楽曲「GUTS!」「誰も知らない」「Sakura」などで振付を担当しており、嵐の昨今のパフォーマンス・スタイルを語る上でとても重要な存在である。


 以前、「GUTS!」リリースのタイミング時に左のメンバーの一人である梨本威温氏が「振り付けって、その動きがパフォーマーに似合った時に初めて価値が生まれます。似合わなかったら意味ない。この作業が僕は好きだし得意です」と語っていたように、今回の「愛を叫べ」においても、誰もが覚えやすいダンスの中に、嵐のキャラクターを引き出すチャーミングで親しみやすい振りや仕草が盛り込まれている。ダンスの覚えやすさだけではなくしっかりと嵐の魅力が伝わる点が、同曲を単なるパーティーチューンに留めないポイントだろう。結婚式の余興などで彼らのダンスを真似するうちに、彼らの魅力に気づく人も多いのではないだろうか。


 また、「過去に想いを寄せていた人の結婚式に参加し、別の人との幸せを祝福する」という誰にでも起こりうる歌詞設定が、「愛を叫べ」という楽曲と、それを披露する嵐自身をより身近なものに感じさせる。これから訪れるウェディングシーズンで「愛を叫べ」が新たな定番曲となり、嵐の人気をさらに広げるものとなることは間違いないだろう。(竹上尋子)