2015年F1第12戦イタリアGPは4日(現地時間)、ミラノ郊外にあるモンツァ・サーキット(アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ)で幕を開け、午前10時から行われたフリー走行1回目はメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。
F1屈指の高速サーキットとして知られる伝統のモンツァ。2週間前のスパを1-2フィニッシュで制したメルセデスは、今回のモンツァに残る7トークンを使用した新たなパワーユニットを投入してきたが、その中身はパフォーマンス向上よりも来年の開発を見据えたものだという。
一方、熱狂的なフェラーリファンのティフォシに迎えられた地元のフェラーリも3トークンを使用したパワーユニットを持ち込んできたが、最初の走行ではライバルのメルセデスに大差をつけられる結果となった。
セッション序盤、各車はいつものようにプライムタイヤ(ミディアム)を装着すると、多くのマシンがロードラッグ仕様のリヤウイングといった空力パーツ、気流センサーなどを付けて走行。フェラーリドライバーとして初めてモンツァを走るセバスチャン・ベッテルもリヤウイングにフロービズをつけ、データ取りを重ねた。
開始15分過ぎから本格的なタイム計測が始まると、早くもメルセデスのハミルトンとニコ・ロズベルグがタイムシートのトップに浮上。最初に1分27秒台をマークしたハミルトンは最初のスティントで1分25秒653までタイムを縮め、2番手につけたロズベルグにもコンマ9秒のギャップを築いた。
開始30分を前に、カルロス・サインツJr.がパラボリカのブレーキングで挙動を乱し、グラベルにコースアウトするとここで赤旗が振られる。トロロッソ勢は序盤からサインツJr.がシフトアップに問題を抱え、その後もマックス・フェルスタッペンのマシンにブレーキのバイブレーションが発生。フェルスタッペンはなんとか27周を走ったが、サインツJr.はわずか8周でマシンを降りることとなった。
セッションをリードするメルセデス勢は中盤2回目の走行でも1分25秒台までタイムを更新するが、ここでもセクター2と3で最速タイムを記録したハミルトンがただひとり1分24秒台に突入。チームメイトにコンマ4秒以上のギャップを築くと、暫定3番手のニコ・ヒュルケンベルグとは1.9秒の大差が開いた。
その後、セッション終盤になってベッテルがヒュルケンベルグのタイムを更新。次のアタックでもさらにベストタイムを塗り替えたベッテルが最終的には3番手となったが、トップのハミルトンからは1.5秒差。もう一台のフェラーリを駆るキミ・ライコネンもメルセデスのパワーユニットを搭載するフォース・インディア2台の先行を許し6番手となった。
7番手にレッドブルのダニエル・リカルドがつけ、ウイリアムズの2台が8、9番手。トップ10の最後にはロータスのパストール・マルドナドが入った。
今回、旧型のロングノーズを使用するマクラーレン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが走り始めに「パワーがない」と訴えたが、その後はコースに復帰して11周を走行。ただ、アロンソとジェンソン・バトンは途中からエンジン交換の作業に入ったため、2台合わせた周回数は23周。タイムもアロンソがトップから3.353秒差の17番手、バトン18番手となっている。