全開率が71%にも達するモンツァは、シーズン中で最もパワーユニットへの負荷が大きいグランプリである。メルセデスは今季ここまで開発トークンをまったく使用せず、7つのトークンを残していたが、今回モンツァに投入する改良型パワーユニットには、7トークンすべて使用したことが明らかになった。トークンを使用した箇所は不明だが、ルイス・ハミルトンが「燃料を効率的に使用するための改善」と発言したことから、エンジン本体であるICEに使われた可能性が高いと見られている。
イタリアGPが地元グランプリとなるフェラーリは、第7戦カナダGPで3トークンを使用、メルセデスと同じ7トークンを残していた。しかし、メルセデスが一気にトークンを投入したのに対して、フェラーリは今回も3トークンのみ使用、あと4つを残すという戦略を採ってきた。
フェラーリがトークンを使用した目的について、チームに近い事情通は「ICEの性能向上が目的だ。エンジン本体の性能が上がれば、パワーが出るだけでなく、燃費の向上にもつながる」と語った。
今季、大幅な性能アップを果たしたフェラーリのパワーユニット。最強メルセデスを2015年シーズンのうちに、つかまえることができるだろうか。
(尾張正博)