“ジャニーズにハマったきっかけ”の2大グループ、嵐と関ジャニ∞はなぜ人を惹きつける？

　昨今のJ-POP市場を見てみると、アイドルグループが今なお音楽チャートを賑わしている。その中でもジャニーズが勢いを持っていることは、ファンでなくとも見て取れるほどだ。となると、「少し聞いてみようか」と興味を持つ方もいるのではないだろうか。しかし、一口に“ジャニーズ”と言ってもグループの特徴は千差万別である。漠然とジャニーズに興味を持ったとしても、興味のない人からすれば数あるグループの中でどれがオススメなのか分からない、というのが正直なところだろう。

（関連：嵐、関ジャニ∞、キスマイ、A.B.C-Zのライブはどう違う？　各グループの特色を分析）

　そんな中「彼らでジャニーズにハマった」というファンの声をよく耳にするのが、嵐と関ジャニ∞だ。テレビ番組やCMなどメディアへ積極的に出演している彼らがきっかけとなり、今までジャニーズにあまり興味のなかった人々がジャニーズに興味を持つということが多くなっているのではないだろうか。そこで今回は、嵐と関ジャニ∞のどのような点が多くの視聴者の心をつかみファンを増やしているのか、考察していきたいと思う。

＜好印象No.1、圧倒的親しみやすさで心をつかむ・嵐＞

　もはやすっかりジャニーズの代表格的グループとなった、嵐。ほぼ毎日のようにメディアに登場しており、見ない日はないといっても過言ではないほどだ。嵐にハマったファンの経緯としては、バラエティやドラマなどに出演しているメンバーが何となく気になり出すことが発端となるようだ。そこからメディアでの活躍を目で追ううちにさまざまな番組で彼らのキャラクターを知り、いわゆる「お茶の間ファン」となっていく。さらに、ミュージックビデオやライブDVD、ドキュメンタリー映像などを見始めることで興味が加速し、ファンクラブに入ってライブに参戦する、というパターンが多い。

　嵐の最大の特徴は、メンバーの仲の良さが生み出す親しみやすさだ。「大野はジャニーズ要素を多分に持っているのに自然体」「櫻井は知的キャラだがどこか抜けている部分もある」「相葉は底抜けに明るくムードメーカー」「二宮は実力派俳優でありつつも、“ゲーマー”“ケチ”などのジャニーズらしからぬ一面がある」「松本は容姿端麗で、ストイックな努力家」など、メンバー一人ひとりのキャラクターがハッキリしているのも分かりやすい。また、そのようなタレント性もさることながら、歌、ダンス、演技、芸術などの各分野で技術を磨き、その個性を余すところなく発揮している点も、好感が持てるポイントだ。

　これだけテレビの視聴者との距離が近く、親しみやすさをもったジャニーズグループは、SMAP以降では嵐がダントツなのではないだろうか。今からジャニーズに触れるという方にとって、確かに嵐は一番「ジャニーズにハマるきっかけ」になりやすいグループと言っていいだろう。

＜ジャニーズの新しい可能性を切り拓いた・関ジャニ∞＞

　これまでのジャニーズグループとは一味違うポジションを確立した、関ジャニ∞。そんな彼らがきっかけとなり、ジャニーズにハマったというファンも多い。歌、バンド演奏、メンバー同士の絆、ファンとの絆など彼らの魅力は多々あるが、ファンになったきっかけは、“アイドルなのに面白い”という立ち位置を作った要素である「関西ノリ」のようだ。彼らもまた積極的にバラエティ番組などへ出演することで、その面白さを前面にアピールしてきた。彼らは、まさにテレビ映えのするジャニーズグループなのである。

　そんな彼らの魅力を手軽に楽しむには、ライブDVDの特典映像がオススメである。2007年に発売されたライブDVD『47』に収録されている「∞レンジャー寝起きドッキリ大作戦！」を例に取ってみよう。寝起きドッキリという企画は、いまいち盛り上がりに欠けたまま終わってしまうことも珍しくない。しかし、「∞レンジャー寝起きドッキリ大作戦！」は関ジャニ∞の魅力を存分に伝えられている。横山・渋谷が進行としてメンバーの部屋に訪れるのだが、寝起きでボケているメンバーに対してしっかりツッコミを入れつつも、ついメンバーと一緒に騒ぐという2人のスタイルが上手く機能しているのだ。「静かにしなければいけないのに、つい騒いでしまう」という流れも、見ていて楽しい。“これこそ関西ノリ”という雰囲気が味わえる。

　ジャニーズの格好良さだけではなく、面白さも味わいたいという方には、関ジャニ∞はぴったりのグループなのだろう。

　このように、嵐と関ジャニ∞は、ジャニーズファンではない人でもハマりやすい“引き出し”をより多く持ち合わせているグループだ。もちろん、この2グループ以外にもジャニーズには魅力的なグループやメンバーが多数所属しており、一度ジャニーズに興味を持つとどんどん他のグループまで気になってくるのがおもしろい。また、ジャニーズにはファンだけが知る、グループごとのドラマ的エピソードも多く、知れば知るほど表面からだけでは見えない魅力を感じることができる。そのような楽しみ方にたどり着いたときこそ、まさにジャニーズという世界にハマる醍醐味を味わえるのである。（高橋梓）