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全日本ラリー選手権第6戦:デイ2の接戦を制した新井敏弘が3連勝

2015年08月31日 20:41  AUTOSPORT web

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JRC第6戦モントレーin嬬恋で優勝した新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)
全日本ラリー選手権(JRC)は29日~30日、第6戦モントレーin嬬恋が行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が、奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)を抑えきり優勝。第4戦ラリー洞爺から3連勝を飾るとともに、今季4勝目を獲得した。

 JRC第6戦嬬恋はシリーズ屈指のハイスピード・ターマックイベント。全17SSで構成され総走行距離は287.045kmだが、デイ2の一部にはグラベルステージも組み込まれる難しいイベントとなっている。また、昨年は突発的な集中豪雨により多くのマシンがリタイアするアクシデントがあり、開催時期としても突発的豪雨が発生する可能性が高いことから、今年は排水能力の低いセミレーシングタイヤの使用が禁止され、より排水能力の高いラジアルタイヤかラリータイヤの装着が義務付けられている。


 29日のデイ1は未明から雨が降り続き、ウエットコンディションでのスタートとなった。このデイ1をトップで終えたのは、福永修/鈴木裕(ミツビシ・ランサーエボリューションX)。福永はSS1こそトップから14.6秒遅れのステージ11位と出遅れたものの、SS2~3ではトップから1秒以内の2番手につけ、午前中最後のステージSS4ではトップタイムを記録。総合首位の奴田原から7.6秒差、2番手の新井敏弘からは0.8秒差の3番手で午後の走行を迎える。

 デイ1午後の走行では雨が上がり、路面はドライ方向へ。勢いに乗る福永はSS5でステージ1位から0.1秒差につけ、総合2番手へ浮上すると、続くSS6~10は5ステージ連続でステージ1位を記録。2番手以下に13.8秒差をつけ初日をトップで終えた。総合2番手はSS1で20秒以上のタイムロスを喫しながらも、午後の走行でペースを取り戻した勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が確保。総合3番手には奴田原が続き、総合4番手に新井敏弘がつけている。


 翌30日のデイ2は、初日より雨が強く降るコンディションとなり、オープニングのSS11では総合首位の福永がクラッシュする波乱の幕開けとなる。続くSS12ではデイ2開始前にマシンセッテイングをグラベル用へ変更した新井敏弘が、2番手以下を6秒以上引き離すトップタイムで総合首位に浮上。トップに立っていた勝田範彦は11.5秒差のステージ3位に終わり、総合3番手まで後退。2.4秒差の総合2番手には奴田原が浮上した。

 その後は新井敏弘と奴田原による激しい首位争いが繰り広げられる。SS13は0.5秒差で新井敏弘が勝利を収める。SS14は路面コンディション悪化によりキャンセルされ、SS15では両者は33.4秒の同タイムでステージ1位となった。

 続くSS16は奴田原が勝利し、ギャップを1秒差まで縮めたが、グラベル路面で行われた最終SS17では新井敏弘が奴田原を10秒以上突き放すトップタイムで優勝。7月に行われた第4戦ラリー洞爺から3戦連続の勝利を挙げた。総合3位には慎重な走りに徹した勝田範彦が入っている。

 JN5クラスはデイ2で35.1秒差のクラス3番手から追い上げをみせた天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMN)が優勝したほか、JN4クラスは横尾芳則/渡邉晴子(トヨタ86)が、JN3クラスは岡田孝一/大久保叡(マツダ・デミオ)が、JN2クラスは須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフト)が優勝している。

 次戦の第7戦ラリー北海道はアジア・パシフィックラリー選手権と併催され、9月18日~20日に開催される。