ルノーのワークスF1チームが復活することがほぼ確実になったと英AUTOSPORTが報じた。今週にもロータスF1チームの株式の過半数を取得する契約を正式に結ぶ見込みだという。
今年、F1パワーユニットサプライヤーのルノーがF1プランの変更を検討していることが明らかになった。数週間前からロータスチームを買収する可能性が高まっているとみられていたが、ついに今週、契約が結ばれるようだ。ルノーF1チームは2009年末にジニー・キャピタルに株式を売却、ルノーは2010年限りでF1ワークス活動を停止し、それ以降エンジンサプライヤーとしてF1に参戦している。
英AUTOSPORTが関係者から得た情報によると、ルノーはロータスチームの株式65パーセントを6,500万ポンドで取得、内金750万ポンドを支払い、残りを10年かけて均等払いで支払う予定だという。
現在ロータスF1チームの共同オーナーを務めるジニーのジェラール・ロペスは、株式約25パーセントを維持して株主にとどまり、10パーセントはルノーのアンバサダー、アラン・プロストが取得すると考えられている。プロストは、メルセデスチームのノンエグゼクティブチェアマン、ニキ・ラウダのような立場になるかもしれない。
ルノーのプレゼンテーションミーティングは今週月曜に予定されており、その後、数日かけて多数の書類に関係者がサインをすることになる予定だ。
現在ルノーはスポンサーパッケージを完成するための交渉を行っている。CEOカルロス・ゴーン率いる取締役会はメルセデスとレッドブルに匹敵する予算を承認する見込みであるとも言われている。
ドライバーに関してはまだ決定していない。ロマン・グロージャンとパストール・マルドナドはロータスと来年の契約を結んでいるものの、ルノーの買収によって状況が変わるかもしれない。
フランス出身のグロージャンは残留する見込みだ。一方、マルドナドはPDVSAのサポートを受けているものの、チーム体制の変更により来季去就が不確かになり、今後交渉が行われることになりそうだ。
以前ルノーが所有し、現在ロータスが使用しているエンストンのファクトリーが今回の契約において決め手のひとつになったと考えられている。ルノーはフォース・インディアの買収も検討していたが、同チームの設備はエンストンよりも劣っていることもあって、ロータスを選んだと考えられる。しかしもしロータスとの交渉が直前で決裂すれば、フォース・インディアが有力候補になるだろう。
10年かけて支払いを行うという計画から見て、ルノーは長期的にF1活動を行う意向であることが分かる。
2016年の体制はまだはっきりしないものの、2017年にはルノーは完全なワークスチームとしてメルセデスやフェラーリと戦うことになりそうだ。
ルノーは2016年末までレッドブル・レーシングおよびトロロッソとパワーユニット供給契約を結んでおり、ワークス参戦を行うことが確定した場合、その契約がどうなるのかにも注目される。