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福山雅治、UVERworld、T.M.Revolution……男性限定ライブはなぜ増えている?

2015年08月30日 17:11  リアルサウンド

リアルサウンド

T.M.Revolution

 ライブ、コンサートの動員数は年々増加しており、公演数や会場の規模がアーティストの人気を推し量る1つの指標にもなっている。“ライブ”と一口に言っても、FC限定、未成年限定、CD購入者限定……など様々な限定ライブも開催されているが、中でも特別な一体感を生み出すのが、“性別限定ライブ”だ。男性アーティストであれば、女性ファン、女性アーティストであれば、男性ファンの比率が高くなるのが世の自然な流れであるが、そのアーティストと同性の限定ライブを行うアーティストが増えている。


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 福山雅治は、2014年12月23日にパシフィコ横浜にて『福山☆冬の大感謝祭 其の十四 「男の、男による、男のための聖夜にして野郎夜(やろうや)!!」』というクリスマスイブ前夜に男性限定ライブを行っている。当日は、入念な入場規制を行い、客もサポートバンドのメンバーも男性のみであったという。この日は15,000人が来場し、史上最大規模の男性限定ライブとなった。同ライブを行うきっかけとなったのは、2012年にリリースした「GAME」のMVを男性ファン500人で撮影し大盛り上がりとなったこと。福山本人が「あの一体感をもう一度味わいたい!」と開催を希望したのだという。


 福山と言えば、2000年から15年もの間パーソナリティーを務めた『オールナイトニッポン』での、気兼ねない下ネタキャラでも有名であるが、同ライブは男性のみということもあり、福山はいつも以上に下ネタを連発し、ライブ終盤では限定グッズのTバックを着用した尻を半分だけ披露するなど、ユーモア溢れる場面もあった。ライブ本編では、ファンが拳を握りながら「ヘイ! ヘイ!」と叫び、アンコールラストでは名曲とされる「Good Luck」を披露した。


 UVERworldは、2015年1月10日に横浜アリーナにて、『∅ CHOIR TOUR 2014-2015』の『KING’S PARADE』と銘打ち、男性限定ライブを行っている。2011年にファンクラブ限定で、故郷のライブハウス滋賀県・B-flatにて男性限定ライブを行い、2012年にZepp DiverCity、2013年には日本武道館と着実に男性人気を獲得していった。B-flatのキャパシティは200人ほどであるが、横浜アリーナには12,000人の男性ファンが集まった。1曲目の「7th Trigger」からボーカルのTAKUYA∞は客席に飛び込み、「全員でかかってこい!」と叫び、観客と拳をぶつけ合うパフォーマンスを見せた。「お前らここで男見せろよ!」「男にモテナイ男はダサいからな! 男運最強だぞ俺は!」と叫びながらファンに投げかけ、横浜アリーナで男性限定ライブが出来ることを喜んでいた。


 T.M.Revolutionこと西川貴教は、2015年8月30日に沖縄ナムラホールにて『T.M.R. LIVE REVOLUTION' 15 -Strikes Back XI-』を開催する。同ライブは、男性限定ライブであり、2012年12月に横浜文化体育館で行った『T.M.R. LIVE REVOLUTION'12 -Strike Back X-』以降、ファンからの要望を受けて開催が決まったという。以前、彼が『笑っていいとも』(フジテレビ系)に出演した際に、男性限定ライブのことについて話していた。司会のタモリが、西川に「男ばかりのライブってどうなの?」と尋ねると、「よく分からないコールで盛り上がりますね。メインは“下の方”で放送できない3文字を叫んでます」と明かした。また、ライブ中に西川がハイテンションとなり、「とりあえず脱いでみようか?」と自身が服を脱ぐと、会場のファンも一緒になって脱ぎだすのだという。ライブが終わった後には、会場にはブリーフが落ちていたこともあったそうだ。ライブが行われる沖縄ナムラホールは1800人を収容するライブハウスだ。真夏の沖縄という環境の中、当日はさぞかし熱いライブが繰り広げられるのであろう。


 性別限定ライブは、上記のような熱狂的な一体感を生み出す他に、「普段ライブに行ってみたいけど、チケットが取れない」「異性が多くてライブに行きづらい」というファンにとっての最良の場であり、アーティストにとっても新たなファンを獲得出来る場でもある。今後も、さまざまなアーティストが工夫を凝らした性別限定ライブを行っていくはずだ。(渡辺彰浩)