FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ニュルブルクリンクの予選が行われ、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マーク・リーブ組の18号車ポルシェ919ハイブリッドが、1分36秒473でポールポジションを獲得。2番手にもティモ・ベルンハルト/マーク・ウェーバー/ブレンダン・ハートレー組の17号車ポルシェ919ハイブリッドが入り、ポルシェ勢がフロントロウを独占した。
ル・マン24時間レースから10週間ぶりの開催となったWEC第4戦。舞台はドイツ・ニュルブルクリンクのグランプリコースである。金曜日のフリー走行(FP)1回目と2回目で速さを見せたのはアウディR18 e-トロン・クアトロだったが、土曜日になるとポルシェ919ハイブリッドが、速さを発揮しはじめる。
現地時間の9時半から行われたFP3では、18号車ポルシェ919ハイブリッドがトップタイムを記録。タイムは1分36秒036で、FP2でアウディが記録したトップタイムを2秒近く短縮するものだった。2番手にも17号車ポルシェ919ハイブリッドが入り、今年のル・マンを制した力を見せつけた格好だ。3番手には8号車アウディR18 e-トロン・クアトロが入ったが、トップからは約1秒の差である。7号車アウディR18 e-トロン・クアトロが僅差で4番手に続いたが、トヨタ・レーシングの2台はそこからさらに遅れること約1.7秒と大きな差をつけられている。
なお、LMP2のトップタイムは42号車ストラッカ・レーシング。LM-GTEプロのトップは51号車AFコルセのフェラーリF458イタリア、LM-GTEアマのトップは88号車アブダビ・プロトン・レーシングのポルシェ911RSRがつけた。
14時からは予選セッションがスタート。上空には低い雲が広がる中、まずはLM-GTEクラスの予選が行われた。ここでも速さを見せたのは、FP3に引き続きAFコルセ。ジャンマリア・ブルーニ/トニ・バイランダー組の51号車AFコルセがふたりのドライバー平均1分54秒275を記録し、GTEプロクラスのトップに立っている。2番手にもダビデ・リゴン/ジェームス・カラド組の71号車が入り、AFコルセがトップ2を独占する形となった。GTEプロで最速タイムを記録したのは95号車アストン・マーチン・バンテージV8のマルコ・ソレンセンで1分53秒964だったが、チームメイトのクリストファー・ニガードが1分55秒032と振るわず、クラス3位に終わっている。GTEアマクラスはSMPレーシングの72号車フェラーリF458イタリアがトップタイムを記録している。
14時半からはLMPクラスの予選。ここでもトップタイムを記録したのは18号車ポルシェ919ハイブリッドだった。マーク・リーブがまず1分36秒192の好タイムを記録すると、ロマン・デュマも1分36秒755を記録し、平均タイムを1分36秒473としてポールポジションを決めた。デュマはセッション後「ポルシェは新しいハイダウンフォース仕様のマシンを、ここに持ち込んだ。(7月末に)ここでテストした時よりも、とても良く、とても速くなったね」と語っている。
17号車ポルシェ919ハイブリッドもティモ・ベルンハルトとマーク・ウェーバーが好タイムを記録するも、18号車に僅か0.069秒及ばず、2番手に終わっている。8号車アウディR18 e-トロン・クアトロはオリバー・ジャービスとルーカス・ディ・グラッシがアタックを行ったが、トップから約1秒遅れの3番手。マルセル・ファスラーとアンドレ・ロッテラーがドライブした7号車アウディR18 e-トロン・クアトロが4番手となっている。
トヨタTS040ハイブリッドは5番手、6番手。うち5番手に入った1号車は、セバスチャン・ブエミとアンソニー・デイビッドソンがアタックしたものの、トップから2.2秒遅れと大きな差をつけられてしまった。
LMP2クラスのトップは、ニック・タンディとマット・ホーソンがドライブした47号車KCMG。ジュリアン・カナルとサム・バードがアタックした26号車Gドライブ・レーシングを0.37秒抑えた。
前日とは打って変わり、ポルシェ919ハイブリッドが速さを見せ、フロントロウを独占したWEC第4戦ニュルブルクリンク。決勝でもポルシェが強さを見せつけるのか? 決勝レースは8月30日(日)の日本時間20時(現地時間13時)にスタートする。