日本商工会議所の調査によると、中小企業2625社の50.2%が「人員が不足している」と回答したという。
最も深刻なのは介護・看護(72.2%)で、運送業(60.9%)や建設業(60.7%)も割合が高い。割合の低い金融・保険業(44.4%)や製造業(44.1%)でも4割を超えており、どの業種でも人手不足のようだ。
それでは中小企業は、どのような人材を求めているのか。長く働ける新卒の学生が人気かと思いきや、最も高かったのは「一定のキャリアを積んだミドル人材」と答えた企業が67.9%にのぼったという。
管理職を経験者した「シニア人材」は不人気
ミドル人材は全ての業種において最も人気が高く、「高校卒業新卒社員」(40.4%)や「大学卒業新卒社員」(32.1%)を大きく上回っている。
一方で不人気だったのは「管理職経験者等のシニア人材」で12.4%にとどまった。高い給与を希望するからか、自分から動こうとしないからか。バブルのやり方に染まっていて、いまのやり方に対応できないからかもしれない。
ミドル人材が求められる背景には、そもそも新卒者の採用がうまく進まないという事情もありそうだ。中小企業からは、
「新卒者の採用が難しくなってきている。採用、選考時ルールが分かりにくい」(長野県、卸売・小売業、飲食店)
「新卒者を採用したいが、学生の多くが大企業に集中する。中小企業の人材獲得についてご支援願いたい」(大阪府 建設業)
といったコメントがあがっており、できることなら新卒者を迎え入れたいというホンネがにじみ出ている。まだ内定をもらっていない就活生は、中小企業の話を聞いてじっくり研究してみるのもいいのでは。
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