世界耐久選手権(WEC)第4戦ニュルブルクリンクが8月28日に開幕し、フリー走行1回目と2回目が行われた。いずれのセッションも、トップタイムを記録したのは、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組の7号車アウディR18 e-トロン・クアトロだった。
朝方の降雨の影響もあり、目まぐるしく変わるコースコンディション下で行われた、フリー走行1回目。開始時の路面はウエットであり、しかも路面温度は16度、気温は13度。8月とは思えぬ難しい状況の中、最初のセッション開始を迎えた。
そんな中、トップタイムを記録したのはアンドレ・ロッテラーがドライブした7号車アウディR18 e-トロン・クアトロ。ニール・ジャニがドライブした18号車ポルシェ919ハイブリッドに0.076秒の差を付けた。しかし、アウディとポルシェは実に僅差で、両チーム合わせて4台のマシンが、1分39秒台。特に8号車アウディR18 e-トロン・クアトロと17号車ポルシェ919ハイブリッド号車の差は0.005秒である。ドイツの2チームが、母国ラウンドで強さを見せた格好だ。
対するトヨタ・レーシングは、2号車がトップから2.6秒離された5番手、1号車が3.3秒遅れの6番手と、上位からは大きな遅れを取ってしまった。レベリオン・レーシングは、ニック・ハイドフェルドのドライブで12号車が1分47秒433を記録したものの、LMP2のG-ドライブ28号車に先行されてしまった。
なお、LM-GTEプロクラスはジャンマリア・ブルーニがドライブした51号車AFコルセが1分55秒661でトップ。LM-GTEアマクラスはルイ・アグアスがドライブした83号車AFコルセが1分57秒876でトップタイムを記録している。
16時30分からは、フリー走行2回目が行われた。このセッションでは天候が回復し、サーキットに陽光が降り注ぐというコンディションである。
セッション開始約9分後、FP1でトップだった7号車アウディR18 e-トロン・クアトロがターン1をオーバーラン。グラベルに掴まり、ストップしてしまう。この影響で、スタート/フィニッシュライン~ターン2までが、スロー走行ゾーンになってしまう。
しかしこのセッションでトップタイムを記録したのは、序盤のトラブルを修復してコース復帰を叶え、終了直前に1分37秒862を記録した7号車アウディ。ドライバーはブノワ・トレルイエだった。2番手と3番手には、トップから約0.1秒差でポルシェ919ハイブリッドの2台がつけ、4番手には8号車アウディR18 e-トロン・クアトロ。またしても上位4台が、僅差の中に揃った。
トヨタの2台はこのセッションも上位からは遅れを取り、5番手と6番手。タイム差は3秒近く、今回も劣勢に立たされている。しかし、いずれも大きなトラブルなく走行を完了し、2台は合計421kmを走破している。
LMP2クラスは、26号車Gドライブが1分46秒299でトップタイム。LM-GTEプロは99号車アストン・マーチン、LM-GTEアマは72号車SMPレーシングがトップタイムを記録している。
WEC第4戦ニュルブルクリンクは、土曜日にフリー走行3回目と予選が行われる予定となっている。