ベルギーGPのタイヤトラブルを受け、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションが、FIAとピレリに対し、タイヤが突然バーストするような事態の防止に務めるよう求めた。
ベルギーGP決勝で3位を走っていたセバスチャン・ベッテルは、タイヤ1回交換というアグレッシブな戦略で表彰台の一角をつかもうとしたが、最後から2周目に右リヤタイヤがバーストし、チェッカーフラッグを受けることができなかった。
ベッテルは43周のレースの14周目にソフトコンパウンドからミディアムに交換して長いスティントを走っていた。
他のチームは2回あるいは3回ストップを採っており、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、ベッテルのタイヤトラブルは磨耗が原因であるとの見解を示し、フェラーリが1回ストップで走り切ろうとしたことに「驚いた」と発言した。
ピレリは現在原因を詳しく調査中で、今週中にその結果を公表する予定だ。
ベルギーGPでは金曜にはニコ・ロズベルグのタイヤが突然バーストしており、ドライバーたちは安全性に対して強い懸念を抱いている。ベッテルは「タイヤが突然破裂するようなことは許されない」と述べ、ピレリを強く非難した。
ドライバーたちは、突然のバーストによってコントロールを失い重大な事故につながる可能性があること、すぐ後ろを走っているマシンにデブリが衝突する可能性があることから、そのようなタイヤトラブルは非常に危険だと考えている。
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションの会長アレックス・ブルツは、FIAとピレリにドライバーたちの意向を伝えたという。
「突然の破裂を防ぐ必要がある」とブルツが述べたとBBC Sportが報じた。
「タイヤのパフォーマンスウインドウの終盤に破裂という形でタイヤのデラミネーションが起こる可能性があってはならず、そういうことが起こるべきではない。我々ドライバーはそう強く確信している」
「このような突然のデラミネーションを防ぐ技術は存在すると思う。短期的対策としては、ピレリに、F1レーシングに合わせて安全性を発揮するための措置を導入してもらい、それを我々がサポートする必要がある」
「我々は彼らに対し、スパでのタイヤ破裂の件に最大限の注意を払うよう要求した。こういった安全面の懸念を払拭するために、協力し合って取り組んでいかなければならない」
「F1、そしてレースの歴史においてタイヤトラブルは何度も発生している。望ましいことではないが、ラップタイムとパワーが上がっていくなか、タイヤマニュファクチャラーが難しい対処を迫られていることは承知している」
「F1界は、こういったトラブルを管理し、これに反応し、より優れた、速くて安全なタイヤの開発を求め、これを行わなければならない」
「それがドライバーの安全のために役立ち、同時に市販車タイヤの安全技術にも役立つことになる」