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光GENJI、SMAP、V6、嵐、Kis-My-Ft2……今と昔でどう違う? 時代別にジャニーズ楽曲を聴く

2015年08月27日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 SMAP、V6、嵐、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2……様々な個性を持ったメンバーが活躍しているジャニーズグループ。グループごとに“色”があるように、彼らの曲にも個性が現れている。もちろん、グループごとで曲の特徴に違いがあるのだが、曲がヒットした時代ごとでも分類ができるのではないだろうか。そこで今回は、1980年代、1990年代、2000年代以降と、時代ごとにヒット曲を分類し、その特徴を分析してみた。


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<1980年代>


 1980年代に活躍をしていたジャニーズタレントは、近藤真彦、田原俊彦、シブがき隊、少年隊、光GENJIなどが挙げられる。日本では「アイドル歌謡曲」が世間を賑わせ、ジャニーズタレントも例に漏れず爆発的ヒットを生み出していた。世界に目を向けると、テクノポップやニューウェーブといった新たな音楽が流行したほか、ポップスの分野ではマイケル・ジャクソンが82年に『スリラー』で一大ムーブメントを巻き起こした時期で、そうした新たなサウンドやレコーディング方法の影響もあってか、アイドルポップスのど真ん中をいっていたジャニーズの楽曲群にも派手なホーンセクションやシンセサウンドが目立ち、ボーカルにエコーを効かせた華やかな仕上がりの作品が加わっていく。


■『仮面舞踏会』(少年隊/1985年12月12日発売)


印象的なサウンドから始まる華やかな楽曲。小刻みなビートを取り入れた楽曲展開が、今までとは一味違ったアイドルポップスを生み出している。


■『スシ食いねェ!』(シブがき隊/1986年02月01日発売)


曲の始まりから終わりまで、デジタルなサウンドが顕著な曲ではないだろうか。メンバーの布川敏和がブログで言及しているが、アメリカから入ってきたヒップホップの影響を強く受けているという。


■『パラダイス銀河』(光GENJI/1988年03月09日発売)


全体的にシンセサイザー音が入っている曲。特に、曲始まりのサビからAメロへ繋がる部分、1コーラス目~2コーラス目に入る部分などでシンセサイザー音がアクセントのように使われている。


<1990年代>


 今もなおジャニーズ事務所の中でトップを走り続けるグループたちがデビューしたのが、90年代である。SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐など、そうそうたるグループがデビューし、活躍し始めた頃だ。特に90年代中盤~後半はJ-POPシーンが非常に盛り上がっており、1994年頃はダンスミュージック(小室サウンド)、1996年頃は16ビート、1998年頃はR&Bと、様々なサウンドが流行した。そんな中、ジャニーズの楽曲はどのような特徴を持っていたのだろうか。


■『MUSIC FOR THE PEOPLE』(V6/1995年11月01日発売)


ダンスミュージックで一躍メジャー会社へと飛躍したエイベックス・トラックスからデビューしたV6。デビューシングルの『MUSIC FOR THE PEOPLE』は、ユーロビートで有名なデイヴ・ロジャースが作曲を担当している。


■『硝子の少年』(KinKi Kids/1997年07月21日発売)


山下達郎が作曲したKinKi Kidsのデビュー曲。やや80年代の歌謡曲の流れを汲んでいるものの、“山下達郎の十八番”とも言える16ビートの曲である。


■『Fly』(SMAP/1999年06月23日発売)


これまでのイメージを一新した、SMAP30枚目のシングル。MISIAや宇多田ヒカルが出てきたことで、R&B色が強くなったJ-POPを意識した曲ともいえる。今でもファンたちから「カッコイイ」と評されている曲である。


<2000年代以降>


 タッキー&翼、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWESTと、現在勢いに乗っているグループが多々デビューした2000年代。この頃のJ-POPは、RIP SLYME、KICK THE CAN CREWなどが流行の中心におり、「ジャパニーズHIPHOP」が人気を博していた。また2010年前後には東方神起、BIG BANG、KARAなどの韓国出身の歌手・グループが日本でデビューし、K-POPブームも生まれている。ジャニーズ楽曲においても、こうした流行の影響が見られる。


■『a Day in Our Life』(嵐/2002年02月06日発売)


少年隊の7thシングル『ABC』をサンプリングした、櫻井のラップがメインの楽曲だ。これまでジャニーズの楽曲の中でラップを歌っている曲はあるが、全面に押し出した曲となると『a Day in Our Life』が初。ジャパニーズHIPOHOPの流れを、上手く取り入れた曲だ。


■『Real Face』(KAT-TUN/2006年03月22日発売)


CDが売れなくなってきた時代に、ミリオンセラーとなったKAT-TUNのデビューシングル『Real Face』。その中で、田中聖がラップを披露している。彼のラップは当時人気だったDABOやZeebraに影響を受けたと言われており、同時代性を強く感じる。


■『Shake it up』(Kis-My-Ft2/2012年08月15日発売)


Aメロが全てラップという曲。現在もKis-My-Ft2は曲の中にラップを用いることが少なくない。また、「Shake it up」という言葉を繰り返している点や、4つ打ちのダンスビートでグルーヴ感溢れるサウンドになっている点などは、K-POPを意識しているように思える。



 このように各時代の流れに乗りつつも、その眉目秀麗な様やダンス、パフォーマンスでファンの心を掴み続けるジャニーズグループ。今後もどんな楽曲を発表してくれるか、目が離せない。(高橋梓)