フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、ベルギーGPのタイヤバーストに関し、改めて声明を発表し、1ストップ戦略自体には一切リスクはなかったこと、チームに責任はないことを強調した。
ベルギーGP決勝で3位を走っていたベッテルは、タイヤ1回交換というアグレッシブな戦略で表彰台の一角をつかもうとしたが、最後から2周目に右リヤタイヤがバーストし、チェッカーフラッグを受けることができなかった。
ベッテルは43周のレースの14周目にソフトコンパウンドからミディアムに交換し、長いスティントを走っていた。
他のチームは2回あるいは3回ストップを採っており、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、ベッテルのタイヤトラブルは磨耗が原因であるとの見解を示し、フェラーリが1回ストップで走り切ろうとしたことに「驚いた」と発言した。
金曜にはニコ・ロズベルグのタイヤがバーストしたこともあり、ベッテルはピレリを激しく非難して早々にサーキットを後にした。その後、ヘンベリーは、タイヤは40周持つと言いはしたが、マシンやレースの状況によって変わるので保証したわけではないと述べた。またピレリはその後、2013年には、ひとつのタイヤで走る最大周回数を定める規則を作ることを求めたが、それがチーム側に受け入れられなかったと主張する声明を発表した。
今週、ベッテルは自身のウェブサイトにおいて改めてコメントを発表した。
「次のことをはっきりさせておきたい。チームと僕はレース戦略に関する決定を一緒に下した。僕はチームを支持しているし、チームも僕を支持してくれている。だからこそ僕らはひとつのチームなんだ。僕らの戦略は全くリスキーなものではなかった。チームには責任はない」
「僕らは表彰台に立つのにふさわしいパフォーマンスを発揮していた。でもああいうことが起こるのもレースだ。別の要素においてはレースを完走できる状態ではなかった。だからああいうことが起きた」
「数年前のシルバーストンで起きたことほどひどくはなかったにしても、ドライバーとして簡単に受け入れられることではない。しかし予告なくああいうことが起きるべきではないので、互いに話し合う必要があるだろう」
ピレリは現在アクシデントに関する詳細な調査を行っており、終わり次第結果を発表する見込みだ。
フェラーリのチームプリンシパル、マウリツィオ・アリバベーネは、レース後、1回ストップは「間違いなく正しい戦略だった」と述べている。
「我々はデータの詳細をチェックしている。ドライバーをリスクにさらすほど愚かでもクレージーでもない」と言うアリバベーネは、最初から1回ストップで行くことがメインプランであり、決勝朝11時には決定していたことだと語っている。