Q&AサイトのYahoo!知恵袋に、こんな相談が寄せられていました。相談者のsilen8hill8さんは、この4月から公務員に転職。前職の金融業界ではノルマ漬けの生活で、いつも精神的に追い詰められていました。
今では「公務員になってから、人間らしい気持ちで仕事ができてうれしい」と言っています。しかしマスコミやネットでは「高給取り」「定時帰り」「年金が手厚い」などと公務員を批判する論調が激しく、その影響か友人たちも相談者さんに公務員叩きをしてくるそうです。
イメージは「ノルマも競争もなく無能でもクビにならない」
相談者さんによれば、実際に働いてみると公務員は給料もそんなに高くもなく、残業もしているとのこと。なぜこのようなイメージが先行しているのかと思い、こう質問しました。
「公務員叩きの原因と、公務員叩きをする人々の心理を教えて下さい。そうすれば私の胸もすっきりします」
この質問に対しては、公務員は「仕事の責任を取らなくてもいい」ことがバッシングの大きな理由になっているのではないか、という回答が複数投稿されていました。回答者のkatsuta_ichiban_kawayuindayooraさんは、
「民間は頭下げて数取らないとクビです。ノルマもあります。公務員にはそれがありません。民間は競争社会。食うか食われるか。公務員にはそれもない」
といっています。i-love-machine-xxxさんも「多額の税金を無駄にする大失敗をしても、誰も責任を取らない。どれだけ無能でもクビにならない」と指摘します。
確かに公務員は、税金を使って公共サービスを提供していれば、売り上げを上げなくてもいいし、利益も上げる必要はありません。いちおう「勤務実績がよくない場合」など免職の可能性もありますが、上記のようなノルマもないので給与も安定しています。
よほどの不祥事がなければクビにならないイメージもあり、その点がいつクビになるか分からないサラリーマンやパートタイマーからすると、仕事がラクな割りに給料が割高だと感じられているのかもしれません。
「店員への土下座要求と同じ」と鋭い指摘も
また「公務員の給料が税金から支払われていること」が原因だという意見も複数ありました。show-mzbさんは「根は店員に対する土下座要求と同じ」と指摘します。確かに納税者である市民に言い返すことは、なかなか難しいものがありますね。
「『自分はお客様(納税者)だから、何を言っても構わない』という考え」
また回答者からは、「公務叩きには不景気が影響している」という見方が寄せられていました。景気が悪くなると民間企業の業績が悪化し、低賃金で労働条件の悪い人が増えて、公務員の生活が急にうらやましく見えてくるというわけです。
「景気が良い時には公務員は見向きもされませんでした。時の首長はあれやこれやのツテを使ってやっと人員を確保したのです」(itukisimadondonさん)
民間企業の給与が高かった時代に、わざわざ公の仕事を志し、難関の試験を通過して公務員になった人を、時代が変わったからとうらやましがるのは、あまりカッコのいいものではありませんね。
ただし税金の使い方が適切かどうか、きちんと根拠をもってチェックし検証することは、市民の権利であり義務。それは感情的な公務員批判とは別に、きちんと行うようにすべきでしょう。(ライター:Makiko.N)
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