人材開発支援を行うファーストキャリア(東京・恵比寿)が8月25日、2015年度版「新入社員の傾向と対策」調査レポートを発表した。同社の人事コンサルや研修講師のほか、顧客企業80社の人事担当者や新入社員ら約1万2000人へのアンケートを分析した結果、今年度の新入社員はひとことで言うと「レリゴー型」なのだそうだ。
具体的な特徴としては「一生懸命で良い人」という面はあるものの、周囲との協調性を重んじるあまりに、自分が持っている個性を出すことを躊躇し、戸惑ったまま終わってしまう。そのためアウトプットが依頼側の期待値を下回ることもあるとする。
稚拙でもやり続ける姿を「強み」と認めてあげて
こうした傾向は通常、研修や仕事の中で少しずつ変わっていくものだが、今年度の新入社員は「やり方が変わらずに愚直にやって失敗する」ため、成果に対するこだわりがない。「本気でやってないように見える」という傾向もあるという。
そのため、育成する側としては、次のようなポイントに気をつける必要があるとする。
「確認された個性をポジティブなパーソナリティ・強みの源泉として扱い、それを活用できる仕事とマッチングする」
「稚拙に一生懸命やり続ける姿に呆れることなく、強みとして認める」
「主体的行動を期待しつつも、『指示したことがしっかりできる』ことに敬意・感謝し次に向かわせる」
調査元は、上記のように個性を出すことを戸惑い、周囲が変化を促さなければいけない点が、ディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』の主人公エルサと通じるものがあると指摘。映画の主題歌「レット・イット・ゴー」から「レリゴー型」と名付けた。
新人からの要望は「定期的に休憩」「上司は受け身に」
レポートでは当の新入社員が自身のこと「〇〇型」としてどう認識しているのかも紹介。小さなグループの中では発言するが全体の中では消極的で既読スルーにも傷つきやすい「LINE型」、スマホが生活の中心のためヴァーチャルには強いがPCには弱い「スマホネイティブ型」といった回答がアンケートで寄せられたという。
また、自身を「どう育てて欲しいか」という質問に対しては「頭はいいが行動できないので行動学習を増やす」という回答のほか、
「定期的に休憩を与える」「職場を温かい環境にする」
「実践型実習を増やす。上司が受け身になる」
という要望もあったということだ。