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TEAM NACS、3年ぶりの舞台『悪童』で”奇跡の5人”が対談

2015年08月23日 01:10  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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およそ20年前―。北の大地で、演劇に引き寄せられ、顔を合わせた5人の若者がいた。北海学園大学の演劇研究会の部室で時にだべり、時に演劇を論じ、手作り感あふれる小さなステージで温かな拍手を受けていた青春時代。そして、北海道ローカルのお化け番組『水曜どうでしょう』出演の大泉が先鋒となって全国で知名度を上げ、それぞれが俳優として独自の道を歩み続けている。しかし、ひとたび5人がそろえば"日本一チケットが取れない劇団"と呼ばれる。それが"TEAM NACS"。 ―3年ぶりとなる舞台『悪童』。初めて脚本&演出を外部から(※)迎えましたね? 森崎 私たち、我流でずっとやってきたものですから。ずっと脚本や演出は、変なカリスマで押し通しちゃうところもありまして。今回のマギーさんは、ほどよい距離感で、5人5様の考え方を引き出すことをすごく大事にしてくださってますね。 安田 ……今、自分のことを"カリスマ"って言った? 全員 アハハハハ。 音尾 5人だけだと、テレてできない"この(登場)人物は一体、何考えてるんだ?"みたいな話し合いを今回はすごく重ねて。 戸次 ぶっちゃけ、そういう作り方でわれわれがやったのは初めてで。 安田 今回はNACSの稽古っぽくなかったかもしれません。あと、4人のセリフ覚えの早さには驚きましたね。僕は、はたから見ると出方をうかがっているような"孤高"な感じがするんですけど……単純にセリフが入らなくて。 音尾 孤高な感じ? してない。 大泉 ずいぶん、美化したな今(笑い)。ただ暗いだけでしょ? 戸次 ただのひとり好きだろ? 森崎 孤高なんて思ったことないよ! 大泉 孤高vsカリスマ。 戸次 やめろ、おまえら。俺もキャッチフレーズ、つけたくなってくる。俺も、自分をアゲる言葉を考える! ―ではその間に(笑い)。"日本で一番チケットの取れない劇団"なんて言われていることについては? 安田 "なんて"とは……どういうことでしょうか?(怒) 森崎 おいおい、どうした孤高? そんな感じには聞こえなかったぞ? 音尾 ごめんなさい。ちょっと孤高な人なもので(笑い)。 大泉 僕らはそう感じ取りませんでしたけど、でも、どうやら彼はカチンと来たようで(笑い)。 戸次 くそ、孤高いいなぁ。 安田 ……ちょっと、おもしろくなってきた(笑い)。 大泉 せっかくだから、孤高から答えなさいよ。 安田 "なーんて"って言われちゃってますけどね、前売りは完売してますが……当日券出ます! 音尾 インフォメーションだ(笑い)。 森崎 実際、セットを建てこんでみると"ここは見えづらいだろうから"と売らなかった席が意外と大丈夫だったりして。機材席を開放するんです。前々日くらいに、HPなどでお知らせしますので、当日券のチャンスはあります! あと、千秋楽(9月6日)はライブビューイングがありまして、全国の映画館でご覧いただけます。 大泉 インフォメーションでした! でも、全然聞かれたことと違うから。音尾! きっちり答えてやれ! 音尾 はい。そうですね、"教授"としてはですね……。 森崎 何の教授よ? 何ひとつ習ったことねーよ。 戸次 お前、ずっと考えていたのか? くそ! 音尾 坂本龍一さん的な(笑い)。でも本当に、(チケット)完売でなかなか見られない人が多い状況は、まるで、会員制のバーで"何が行われているんだろう?"という興味ばかりが一般の方々に増えていくっていうのは、あまりいいことではないのかなぁという気もするんですが、でも、この状況に恥じないよう、頑張るしかないなと教授的には思います。これでいかがですか、大泉さん。 大泉 え~。"つむじ風"は……。 4人 アハハハハハ。 戸次 ずっと考えて、それか。 森崎 お前だけファンタジーだな。 大泉 今、"やばい、やばい、やばい"と思ってるのはシゲ(戸次)だと思うんですけど、つむじ風はですね、チケットが取れないって、なんかキャッチーじゃないですか。はっきり言えば、もっとチケットの取れない公演はあるじゃないかとわれわれは思うんですがただ、そう言ってもらえることはうれしいんですけど、その反面、真に受けて(観劇を)あきらめる人が多い(笑い)。案外大量に当日券が出ることもありますから、最初から諦めないで! という気持ちでいっぱいです。 戸次 では、最後に"ケンシロウ"が言いますけど……。 大泉 ダメだ(笑い)。 森崎 一気にバカっぽくなった。 音尾 これだけ考えて、ケンシロウだったんだ(笑い)。 安田 ひっどいな。 戸次 ケンシロウが思うに、前回の公演は7万人を動員しましたが、われわれはうれしいことにリピーターが多い劇団でもあるんです。純客数を知りたくてもわからないんですよね(笑い)。でも、それがわかるときって、人気が落ちたとき。1人が2回も見ないようになったときなんです。なんだかんだで入ってくれてるってことがまず一番大事なこと。本当に幸せな環境、状況で、NACSを続けさせてもらってるなという思いは、公演のたびにしています。 森崎 次、いつできるか全く約束できません。やることはやるんですけど、何年後かはわれわれにも未知なものですから、ぜひ、この機会に5人が集まっているところをご覧ください! ※脚本は古沢良太(『相棒』『リーガルハイ』ほか)。演出は、かつて"ジョビジョバ"でリーダーを務めたマギー