トップへ

嵐・大野智がアートに込めたメッセージとは? 寡黙なリーダーが語り始めた「胸の内」

2015年08月22日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 7年半ぶり2度目となる個展『FREESTYLEⅡ』を東京・表参道で開催中の嵐・大野智が、9月に行われる嵐の宮城コンサート「ARASHI BLAST in Miyagi」と併せて「大野智と子どもたちの未来絵画展in Miyagi」を開く。


(関連:嵐・大野智のアートはどう進化したのか? 奈良美智も評価した作品群の背景を読む


 同企画は、大野が2011年に描いた『ちょんまげの子ども』という作品と、宮城・岩手・福島の子どもたちから募集した「未来」をテーマにした絵をコラボするというもの。会場内に大野の作品と募集した絵を展示し、子どもたちの『未来』をアートで表現する。


 嵐は、震災直後から毎年被災地を訪れコンサートを開催している。嵐がメイン・パーソナリティを務めた2013年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)では、大野が番組内の企画でアートを通して多くの子どもたちとふれあいの機会を持った。


 今回の企画で展示される『ちょんまげの子ども』について、現在発売中の『美術手帖』(1026号)で「初めて意味を意識した作品」として大野は以下のようにコメントしている。


「顔だけまず描いてたら東日本大震災が起きて、そこからいろいろあったから、1年以上続きを描けなかった。でも、また描こうと思って。もともとは震災前に描こうとしていた裸のガキ大将的な少年と、今の日本を象徴する姿がリンクして、その意味がしっくりきたんだ。それで、表面は震災で日本が丸裸になってる姿を、裏面は希望の光に満ちあふれて、明るくなるものを描こうって。これはあまり遊ばないで真面目に描きたかったんだよね」


 大野にとって絵を描くことは、創作自体を楽しむものから、誰かへ向けてメッセージを放つものへと変化していったようだ。


 また『QLAP!』(9月号)では「この7年間でいちばん変わったのは気持ちなのかな。前回の個展に出した作品はただ好きで描いてただけのものだったけど、その後の7年ですごくいろんなことを考えたり、絵のタッチ、やり方、技法も新しくなって。大野智の“らしさ”みたいなものが出てたらいいなと思う」と語っている。


 普段は多くのことを語らない寡黙でマイペースな彼だが、嵐のリーダーとして常にメンバーのことを考え活動を続けてきた。今まで胸に秘めてきた彼の思いは、年月とさまざまな出来事を経て、その表現活動を通して今後より明らかになっていくのかもしれない。(竹上尋子)