“タイトル争い”まずはここから:スーパーフォーミュラ第4戦もてぎ直前プレビュー
2015年08月21日 19:00 AUTOSPORT web
2015年スーパーフォーミュラ折り返しの一戦となるシリーズ第4戦ツインリンクもてぎが、8月22日~23日に行われる。両陣営の新エンジンが投入されるほか、チャンピオンシップ争いを考える上でも落とせない一戦となってくるこのレースの注目ポイントを抑えておこう。
●チャンピオン争いに“残っていく”のは誰か
後半戦に入るに伴って、チャンピオンシップ争いも本格化していく。このもてぎをランキングリーダーとして戦うのは、岡山戦でシリーズ初勝利を挙げてランキングトップにつけ、富士戦でも3位表彰台を獲得して首位をキープした石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)だ。ランキング首位を示すリーダーズレッドを2戦連続でつけて戦うことになった石浦だが、「今週末はランキングトップを守るとかではなく、やはりもう1回勝たないとチャンピオン争い残れないので優勝したい」と、守りの姿勢ではなく、攻めの姿勢で今回のレースに臨む。
一方、ホンダ陣営としても、チャンピオンシップでの勝負権を保持するためにも今回は落とせない一戦となる。現在、ホンダ勢の中でのランキングトップは野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の6位。首位とは13ポイント差となっているが、野尻はもてぎ戦を「チャンピオンシップをきっちり狙える位置につけるためのレース」と明確に位置づける。「変に雨などが降らず、ドライのままレースができれば、これまでの流れからいってもそんなに悪くはないと思っています」と感触も悪くない様子で、「優勝を目指したいと思います」と意気込みを見せた。
●可夢偉も“アグレッシブ”なセットアップ投入
今シーズンからスーパーフォーミュラに参戦している小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)にとってこのもてぎは、かねてから語っていた“経験がほとんどないコース”のひとつ。スーパーフォーミュラでの走行経験はないという状況をいかに戦うのか。可夢偉車を担当する山田健二エンジニアは次のように語る。
「JPや(アンドレ)ロッテラーは、もてぎでものすごく速いので、彼らをすぐに負かしてPPを獲るという目標を立てるのはさすがに厳しい。明日の朝はすぐにコースインし、コースの習熟をして、セットアップを上手にまとめて、目標としては表彰台に登りたいと思います」
また前回の富士戦で可夢偉は、序盤は3番手を走行していたものの、タイヤ交換後にペースを落とし防戦を強いられる形となった。ペースダウンの原因は不明とのことだが、山田エンジニアによると、富士戦後に「クルマのどこが悪いのかを小林選手ともミーティングをし、もてぎに向けて結構アグレッシブに、積極的にセットアップを変更して持ってきています」と、気になる発言も。コースの習熟という劣勢もあるなか、シーズン折り返しとなるこの一戦で可夢偉はどのような走りを見せてくれるだろうか。
●新エンジン投入後の勢力図は?
シーズン第4戦目となる今回のもてぎ戦から、後半戦に向けた新エンジンを投入することが可能となっており、トヨタ/ホンダとも両陣営とも新型のエンジンを投入してくる。序盤からホンダ陣営が劣勢となった昨年とは異なり、今年は両陣営が開幕前から拮抗した速さを見せているが、結果としてはここまでトヨタ陣営が3連勝。前述のとおりホンダ陣営のランキング最上位は6位となっており、なんとしても巻き返しを図りたい一戦となる。
ホンダの佐伯昌浩プロジェクトリーダーによると、今回から投入する新エンジンは「ドライバビリティの観点やパワーバンドの部分はこれまで通り維持したまま、ピークパワーを上げていくようなエンジンに仕上げてきました」とのこと。
新エンジンで迎えるもてぎ戦については「トヨタさんもいる中でどの位置に付けられるのか楽しみ」と語ったものの、チャンピオンシップを見据えた上では「ここで何とかしたいですね」と当然ながら危機感も抱いている様子。「予選で前の方を獲らないと厳しいというのは認識しているので、まずは明日の予選でなんとか上位を押さえたいなと考えています」と、まずは予選日に向けて展望を語った。