フェラーリがキミ・ライコネンと2016年の契約を結んだことで、後任候補として有力とみられていたバルテリ・ボッタスはウイリアムズに残留する可能性が高くなった。一方で、フェラーリは将来的にトロロッソのルーキー、マックス・フェルスタッペンを引き抜きたい考えであるとうわさされている。
一時はフェラーリがライコネンを今季末で放出する可能性が高いとみられていたものの、19日、チームはライコネンと2016年の契約を結んだことを正式に発表した。
ライコネンの代わりにフェラーリ入りする可能性が高いと考えられていたボッタスのマネージャー、ディディエ・コットンは、このニュースはボッタスの状況に影響しないと主張し、現在ウイリアムズとポジティブな交渉を行っていると述べた。
「フェラーリが決断を下した。それが我々の状況に影響することはない」とコットン。
「(フェラーリのチームプリンシパル)マウリツィオ(・アリバベーネ)は、キミとの状況を評価したいと何度も言っていた。評価した結果、この決断を下したわけだ」
「何度もお話したように、我々には何ら関わりのないことだ」
「チーム(ウイリアムズ)はバルテリのオプションを有している。これは特に秘密でもなんでもないことだ。ウイリアムズとの交渉はかなり前に始まっていたのだ」
「彼らがいつ発表を行うのかは分からない。それはチーム次第だ。私に言えるのは、(ウイリアムズのチーム副代表である)クレア(・ウイリアムズ)や役員たちと交渉を行っており、彼らは前向きだということだ」
ウイリアムズはボッタスを契約から開放するための違約金としてフェラーリに1,000万ポンド(約19億円)を要求、それはあまりに高額であるとしてフェラーリが手を引いたとtelegraphは伝えている。
一方で、英AUTOSPORTなど多数のヨーロッパメディアが、フェラーリは非常に評価が高い17歳のルーキー、フェルスタッペンをセバスチャン・ベッテルのチームメイトとして起用することを狙っていると報じている。
フェルスタッペンはレッドブルの若手プログラムと長期契約を結んでいる。しかし父親のヨスは息子のフェラーリ入りに乗り気であり、何とかレッドブルとの契約から逃れる方法を見つけようとしているといわれている。
マネージャーのレイモンド・フェルムーレンは2017年まで待ってくれるようフェラーリを説得したともうわさされており、そうであればフェラーリはフェルスタッペンを待つまでの間、ライコネンを残留させることに決めたのかもしれない。
いずれにしてもボッタスがウイリアムズにとどまり、フェリペ・マッサの残留も濃厚と考えられているため、ウイリアムズ加入の可能性がささやかれていたジェンソン・バトンは、マクラーレンから放出された場合の有力な移籍先を失ったことになる。
マクラーレンはリザーブドライバーであるケビン・マグヌッセンかテスト&開発ドライバーのストフェル・バンドーンを、2016年にフェルナンド・アロンソのチームメイトとして起用することを検討しているといわれている。