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ジャニーズファンを魅了する『ワチャワチャ感』とは? V6、嵐、Sexy Zoneの3グループから紐解く

2015年08月20日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 ジャニーズファンに「グループやメンバーのどんなところが好きですか?」と質問をすると、必ず回答に挙がってくる『ワチャワチャ感』という言葉がある。元々、ワチャワチャとは大阪の方言で、数人でやかましくしゃべる様のことを指しているという。それを語源とし、転じたのがこの『ワチャワチャ感』だ。簡単に言うと、「ジャニーズメンバーたちがじゃれあったり、騒ぎながらも仲良くしている状態」を指しているのが『ワチャワチャ感』なのだ。


(関連:嵐・二宮和也&松本潤の“同い年コンビ”に漂う信頼感 ふたりのワチャワチャはなぜ魅力的?


 今や、ジャニーズファンにとってはかなりポピュラーな言い回しになった言葉だが、よく考えてみると、その言葉を使うジャニーズグループによってニュアンスに微妙な違いがあるようだ。そこで今回は、どのような状態がファンを魅了している『ワチャワチャ感』なのか、グループごとに考えてみたい。


■V6「後輩を巻き込んで楽しい雰囲気に。ベテランならではのワチャワチャ感」


今年デビュー20周年を迎えたV6の最近の活躍は、目を見張るものがある。24時間テレビのメインパーソナリティーにも抜擢され、メディアへの露出も増加。元々持っているグループとしての実力も相まって、再び人気に火がついていると言えよう。


 個人での活躍が目立つグループではあるが、コンサートなどでは、仲の良さがうかがえる場面を多々見ることができる。メンバー6人ともに“V6”というグループに大きな愛情を持っていることはファンの中では周知の事実だ。しかし、彼らの真のワチャワチャ感はメンバーの仲の良さとは別の場所にあるのではないだろうか。


 先輩という立場で多くの後輩グループと共演することが多い彼らは、とにかく後輩をいじる。先日放送された『VS嵐』(フジテレビ系)では、後輩である嵐にちょっかいを出しながらも、嵐が失敗すると「あ~!」「頑張れ!」と声を掛けつつ全員ではしゃいでいた様子が印象的であった。また、昨年末の『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)では、ジャニーズWESTとのコラボを披露したが、その際にもメンバーの井ノ原がジャニーズWEST・神山にちょっかいを出しつつ、楽しそうにしていた。


 このように、V6は後輩を巻き込んで空間全体を楽しい雰囲気にすることに長けているのだ。これは、ジャニーズグループの中でもベテランになってきたV6だからこそのワチャワチャ感なのかもしれない。


■嵐「5人が5人らしく、ありのままに戯れることでのワチャワチャ感」


 ジャニーズグループの中でも、「仲の良さ」を全面に押し出して人気を得たパイオニア的存在は、嵐ではないだろうか。古参の嵐ファンの話を聞くと「ライブでも5人が自由にワチャワチャやっているのを見ているのが好き」という意見が少なくない。以前のコンサートでは、“地獄の缶蹴り”と称してMC中にメンバーたちが缶蹴りをスタートしだしたり、コタツでババ抜きを始めたりすることもあった。特にファンに絡んだり、煽ったりするわけでもなく、メンバー5人が楽しんでいる様をただただ見ているという状態なのだが、固定観念にとらわれずに自由に楽しむ彼らを見ることこそが、嵐ファンの楽しみなのだ。


 メンバーが揃うと櫻井がMCを取り仕切ることが多いように感じるが、他のジャニーズグループよりも“仕切り役”という立場は明確ではないように思える。それはマイナスポイントではなく、嵐にとってはプラスなのだ。嵐のワチャワチャ感は「5人が5人らしく、ありのままに戯れている様」なのではないだろうか。メディアへの露出もダントツに多い嵐だが、どの場面でも彼らならではのワチャワチャ感は遺憾なく発揮されていると言って良いだろう。


■Sexy Zone「個性のかぶりがなく、トークでの役割分担が生み出すワチャワチャ感」


 メンバー編成で何かと話題になっているSexy Zone。中心メンバーとなった佐藤勝利・中島健人・菊池風磨の3人はテレビに出る機会も多く、各キャラクターを存分に発揮している。しかし、彼らのワチャワチャ感はマリウス葉・松島聡が加わった5人になって初めて最大値を叩きだすと考える。彼らのトークを見てみると、マリウスの自由なコメントと松島の天然っぷりに対して菊池と中島が乗っかり、佐藤がツッコミを入れる、という大まかな役割分担ができているように思う。


 特に、Sexy Zoneのワチャワチャ感の真骨頂が見られる機会といえば『Sexy Zone CHANNEL』(フジテレビ有料チャンネル)だ。本人たちは素のままで撮影に望んでいるのかもしれないが、見事に5人の個性がかぶることなく、しっかりと役割分担のなされたワチャワチャ感が繰り広げられている。この番組をとおして、彼ら自身がメンバー間のやりとりを楽しんでいる様子が、しっかりファンにも伝わったのではないだろうか。現在、『Sexy Zone CHANNEL』の放送はストップしている状態だが、その再開を心待ちにしているファンが非常に多いことからも、5人で繰り広げるワチャワチャ感の人気度が分かる。


 最年長の中島が21歳と、まだまだ伸びしろがあるSexy Zone。これからさらに成長し、より楽しいワチャワチャ感を見せてくれるのではないか、と期待が膨らむグループである。


 個性あふれるメンバーが集まるジャニーズグループだけに、一口に『ワチャワチャ感』と言っても様々なパターンがある。こういった視点で比較してみると、また新しい彼らの魅力が見えてくるかもしれない。(高橋梓)