世界ラリー選手権(WRC)に参戦しているフォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のヨースト・カピートは、所属するシトロエンから批判を受けているクリス・ミークを擁護し、もしフォルクスワーゲンが4台目のWRカーを走らせる場合にはミークを起用したいと語った。
ミークは先月、所属するシトロエン・レーシング代表のイブ・マトンから、ラリー・イタリアとラリー・ポーランドでクラッシュしたことで、アルゼンチンで獲得した初勝利を台なしにしたと批判されていた。
これに対しカピートは、ミークにはチャンピオンを獲得できる素質があり、WRCではフォルクスワーゲンにとって最大の脅威であると語った。
「クリス(・ミーク)ならば、間違いなくチャンピオンを獲得できるだろう」とカピート。
「彼は私の親友の一人で、チャンピオンになる素質があると確信しているよ」
「クリスはステージで我々に対し、勝負を仕掛けてくるドライバーだ。また、セバスチャン(・オジェ)が出走順に関するルールに不満を述べた際も、クリスは真っ向から反論していた」
「WRCには、クリスのように全く異なる意見や視点を持ちながらチャンピオンシップに挑む人間が必要だ。ルールに関して討論が行われれば、ラリーへの関心を高めることができるからね」
「もし我々が4台目のマシンを走らせることがあれば、そのマシンをミークにドライブして欲しいよ」
またカピートは、あくまで個人的な意見であると前置きした上で、シトロエンが公の場でミークを批判したことに驚いたとも語っている。
「我々のチームで、このようなことが起きることはない」
「彼らの発言についてコメントする気はない。私には関係のないことだからね。しかし仕事に取り掛かっている間、常に質問攻めにあっていたとしたら、ベストを尽くすことはできないだろうね」
一方、シトロエンは2016年のドライバーラインナップの参考にするため、ミークとチームメイトであるマッズ・オストベルグを自由に戦わせることにしたと明らかにした。
チーム代表のマトンは「ドライバーには、自分たちで戦略を練り自由に戦ってくれと話すつもりだ」と語った。
「ドライバーたちがどのような走りをみせるか知りたい。今後、ラリー・オーストラリアなど、クリスがDS3 WRCで走るのは3度目となる大会も控えている」
「また、マッズは今シーズン最初から我々が要望した通りの走りをみせてくれた。しかし、今はマッズが自分自身で戦略を立てた場合、どんなポテンシャルを発揮するか興味があるんだ」
「来季のラインナップについては、時間をかけて、じっくり考えていく」
ミークは7月30日~8月2日に行われたWRC第9戦フィンランドでは、総合3番手を走っていたデイ2終盤にクラッシュ。これにより、オストベルグが3位表彰台を獲得している。