2016年に公開される黒木瞳の初監督映画『嫌な女』のキャストが発表された。
同作は、桂望実の同名小説をもとにした作品。ストレートで司法試験に合格し、28歳で結婚した真面目な弁護士・石田徹子と、男をその気にさせて金を騙し取る天才の詐欺師で、トラブルを起こすたびに徹子を振り回す同い年の従兄弟・小谷夏子という対照的な2人の女性をコミカルに描く。
人と打ち解けられず、仕事も結婚生活も上手くいかない日々を送る堅物の弁護士・徹子を演じるのは吉田羊。派手好きで社交的な夏子を木村佳乃が演じる。黒木は吉田と木村について「お二人は、同じ画面の中に存在していても、まったく違う色の光を発します。そのふたつの光が交わったときは圧倒されます。私の言葉に耳を傾け芝居に入る徹子と夏子、スクリーンの中で、この夏の太陽より輝いている吉田羊さんと木村佳乃さんの『嫌な女』を、ご期待ください」とコメントしている。
■吉田羊のコメント
共演すらまだない大先輩黒木瞳さんの初監督作品、しかも主演でというお話を頂いた時は自分の耳を疑いました。かつてない大役の重責に武者震いする一方で、瞳監督のこの作品に掛ける並々ならぬ情熱に身体を底から突き上げられ、女優が女優を撮る面白さを是非見たいとも思いました。脚本と登場人物が唸るほど魅力的で、これは何としても最高の作品にしたいという思いです。共演者・スタッフの皆様の胸を借りながら、丸裸で、瞳監督の情熱にぶつかっていきたいと思います。
■木村佳乃のコメント
黒木瞳さんが映画の監督をされると聞いて、大変驚きました。内容を知らない内から、是非やらせていただきたいと心踊っていました。
台本を頂いた後瞳さんにお会いして、監督のこの作品への強い想いを感じました。これから大先輩の前で丸裸になるのかと思うと身が引き締まる思いと共に、未だかつてない緊張を感じております。とてもとても熱い夏になりそうです。
■黒木瞳のコメント
吉田羊さんと木村佳乃さんは、自分の殻にとどまらず、何かをみつけたい、何かを試したい、何かを成し遂げたいというエネルギーに満ち溢れた女優だと思っています。
お二人からは、「なんか、面白そう」という感想とともにふたつ返事でご出演を快諾していただきました。この、なんか面白そう、という大胆なお気持ちが、私はすごいなと思いました。
今、撮影が始まり、お二人まったく違うキャラを演じていただいています。
徹子を演じる羊ちゃんからは、忍耐力と理性とふところの深さを感じます。
これは、徹子を演じる上でも不可欠ではありますが、役柄なのかご本人なのか、私でさえ見間違うほど、虚実皮膜の間を自由に行き来する才能に惚れ惚れしてしまいます。
夏子を演じる佳乃ちゃんからは、順応性と探究心、そして自由自在の瞬発力を感じます。
画面の中から飛び出してくるんじゃないかという演技力には、ドキッとしてしまいます。
ハンパない感受性に、私は、ついニタニタしてしまいます。
お二人は、同じ画面の中に存在していても、まったく違う色の光を発します。
そのふたつの光が交わったときは圧倒されます。
私の言葉に耳を傾け芝居に入る徹子と夏子、スクリーンの中で、この夏の太陽より輝いている吉田羊さんと木村佳乃さんの「嫌な女」を、ご期待ください。