“女性向けバイアグラ”として初めて開発された「フリバンセリン(Flibanserin)」という薬。その承認を望む声が世界各地で高まっていた中、米国食品医薬品局(FDA)の承認に大きな期待が集まっている。 ED治療薬バイアグラは男性の勃起を助けるものだが、これに対してフリバンセリンは閉経前のHSDD(hypoactive sexual desire disorder=性的欲求低下障害)に悩む女性のリビドー、つまり「性欲」を喚起、刺激する効果を持つという。しかし数々の副作用が報告され、メリット・デメリットのバランスについて専門家の間でさかんに議論がなされていた。ただし高い需要があるといわれ、FDAには市場からも「早く承認を」とかなりのプレッシャーがかかっていたようだ。
またこのようなタイプの薬を承認するにあたっては各委員における性差別意識も強く反映されるという意見があり、これについては全米女性機構(National Organization for Women)、米国リプロダクティブ・ヘルス専門家協会 (Association of Reproductive Health Professionals)、米国看護師助産師協会(American College of Nurse-Midwives)ほか各種医療団体が注意深く関わってきた。承認申請はこれで3回目という今年、今月18日までにFDAは再び承認か否かを決定することになるが、6月には生殖保健薬諮問委員会の審査において圧倒的多数でその効果が認められたため、今回は良い返事が期待できるものとみられている。気になる3大副作用は眠気・低血圧症(めまいや吐き気)・失神とあり、飲酒との併用で強まることにも注意が必要だという。