マクラーレンF1チームは、ホンダとのパートナーシップに替わる代替案は一切ないと述べ、長期的なマクラーレン・ホンダのプロジェクトにチームの命運を託している。
チームのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、今シーズンからマクラーレンにパワーユニットを供給するホンダが長期的にF1に関与すると述べ、チームがホンダに替わる代替案を捜すよりは、現在のプロジェクトを成功させることに専念するという姿勢を強調した。
「我々に代替案は一切ない」とブーリエ。
「全員が一緒に働くことを確実なものにするのは、我々次第だ」
「結婚にしても、多少のストレスを感じることは時々ある。しかし、我々は同じ道を歩んでいく」
「この信念は、彼らが長期的に関与した事実からもたらされるもので、ホンダが建設した施設も素晴らしいものだ」
「彼らが知識、経験、適切なプロセスを経て落ち着きを手にするまでは時間を与える必要があると思っている。そうなって作られたマシンは素晴らしいものになるだろう」
かつてマクラーレン・ホンダは、1988年にアイルトン・セナとアラン・プロストを擁して16戦中15勝というF1史に残る偉業を成し遂げ、92年までのパートナーシップの間に4年連続のダブルタイトルを獲得している。
しかし、当時のホンダは、1983年にスピリットチームにエンジンを供給するかたちでF1に復帰した後、ウイリアムズとロータスでさらなる経験を積み、復帰5年目からマクラーレンとのパートナーシップをスタートさせた。
ブーリエは、そうしたプロセスから達成された当時の成功が、今年スタートしたばかりの新生マクラーレン・ホンダに過剰な期待を生んでいると述べている。
実際、今回のホンダF1プロジェクトには、6シーズンもの空白期間があり、ハイブリッドのV6パワーユニットに関してはライバルに比べて1年の実戦経験が不足している。
「1980年代と比較するのは間違っている」とブーリエ。
「ホンダはF1で5年を過ごした後、マクラーレンに加わった。彼らは多くのコミットメントやリソースをもとにこれをやっているが、2年前にスタートを切ったばかりだ。F1で競争力を発揮するのに、2年という期間は明らかに十分とは言えない」
マクラーレンは、以前のワークスパートナーだったメルセデスが、2010年に自らのチームで参戦することを決めて以来、新たなワークスパートナーを見つけなければならなかったとの従来の主張も繰り返した。
「後で分析するのは、いつも簡単だ」とブーリエ。
「我々はいくつかの基本的なルールを守らなければならない。ホンダにスイッチした理由は明確だった」
「メルセデスが、自らのチームで参戦すると決めた時、カスタマー扱いになるのは分かっていた。そうなれば、カスタマーでは決してワールドチャンピオンになれないことは分かる。それは明らかだ」
「我々がホンダにスイッチした理由は、ホンダのワークスチームになる機会があったからだ」
「結婚をうまくやるタイミングに関しては疑問もあるだろうが、これは長期的なコミットメントだ」