お盆休みを使った帰省で悩ましいのは、帰りに購入する職場への「お土産」だ。仕事に復帰するユウウツ感を抱きながら、大荷物に加えて買い物をするのだから一仕事である。すでにツイッターには、
「会社にお土産何にしようかなあ~」
「あーお土産…家は買ってかないけど会社な…」
といった投稿も見られる。忙しさもあって「こんなもんでいいでしょ」と、つい美味しくもないありきたりなものに手が伸びてしまう。面倒になって、そもそも買う必要があるのかと苛立つ人もいるようだ。
どうせ「賞味期限切れ」で捨てられてしまうし…
R25の調査によると、そもそもプライベートな旅行の際には会社にお土産を買っていかないという人が4割いるそうだ。その理由は「周りの反応がいつもイマイチなので」「誰と行ったのだとかいろいろ聞かれそうで面倒」といった意見があがっている。
それはそうだろう。義務感でおざなりなものを買ったのだから、微妙な反応になるのも当然だ。「とりあえず買った」という自己満足だけは残るけれど…。
匿名掲示板のガールズちゃんねるにも「お土産を買わない人」の意見が書き込まれている。お土産代がバカにならないという金銭的な理由のほか、せっかく買ってきても食べられずに賞味期限切れで捨てられたりするため、買いたくないという人もいる。
旅行に行ったというと「自慢?」と文句を言ってくるおばさんもいるため、出掛けたこと自体を内緒にする人もいた。一連の投稿を見ると、買ったところでかえって面倒になると捉えている人も少なくない。
しかし、会社へのお土産を「必須」と捉える向きもある。ビジネスマナーに詳しい鈴木真理子氏はスーツウーマンの記事で、お土産には「同僚への感謝の気持ち」の表明としての意味合いがあると語っている。
「休んで迷惑をかけたお礼」という考えが腑に落ちない?
鈴木氏によると、たとえ有給休暇という権利を使って夏季休暇にしたとしても、休んでいる分は業務が他の人に周り、「負担が増えてしまう」と指摘する。
そして仕事はチームワークで成り立つため「感謝の気持ち」を持つことは重要であり、それを「目に見える形で表現するのがお土産」なのだという。また仕事を円滑に進める「コミュニケーションツール」としても重要だと語っている。
この記事に対しても「お土産不要派」のコメントがいくつか見られるが、そもそも「休んで迷惑をかけたお礼」という考えが腑に落ちないようだ。他人が休んでいるときは自分が働いているので、結局はお互い様というわけだ。個々人の行為を「マナー」にする考えに違和感を抱く人もいる。
「基本、お土産など不要です。個人的な好意として買ってくるのは構いませんが、別に『それがマナー』というわけではありません」
休むと「迷惑がかかる」といった捉え方自体を問題視し、「アホじゃないかと」と言う人も。「これだから有給休暇消費率があがらないんだよ」と続けた。それぞれが正当な権利を行使しているだけであり、「土産を要求するなら、餞別を出せ」と憤る人もいた。
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