トップへ

佐野研二郎氏がトートバッグのデザイン複写認める 過去の作品とエンブレムの盗作は否定

2015年08月15日 11:12  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

トートバッグは8種類取り上げて全22種類に
サントリー「オールフリー」のキャンペーンで展開されていたトートバッグのデザイン盗用問題について、デザインを担当した佐野研二郎氏が8月14日、複写があったことを認め、謝罪した。佐野氏の監修のもと、制作業務をサポートする複数のデザイナーと共同で制作したもので、第三者のデザインをトレースしていたことが調査によって発覚。弁護士の法的見解を確認している段階で、今後は著作権法に精通した専門家を交えてスタッフの教育を充実させるとともに再発防止に努めていくという。

佐野氏がデザイン複写認めるの画像を拡大

 トートバッグの企画は、佐野氏が掲げた「ビーチ」や「トラベル」など夏を連想させる複数のコンセプトに基づき、各デザイナーが素材を作成。ラフデザインを含めて約60個のデザインが挙がったが、一連の過程においてスタッフからの報告はなく、佐野氏自身も複写されたものとは「想像すらしていなかった」という。「そもそも法的問題以前に、第三者のものと思われるデザインをトレースし、そのまま使用するということ自体が、デザイナーとして決してあってはならない。また、使用に関して許諾の得られた第三者のデザインであったとしても、トレースして使用するということは、私のデザイナーとしてのポリシーに反する」とコメントを発表し、今回の事態を厳しく受け止めている。
 また、ネット上で指摘されている過去の作品についても言及し、「制作過程において、法的・道徳的に何ら問題となる点は確認されておらず、また権利を主張される方から問い合わせを受けたという事実はない」と盗作疑惑を否定。渦中にある東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに関しては「MR_DESIGNで応募したものではなく、私が個人で応募したもの」で、今回の案件とは制作過程を含めて全く異なるものだといい、「模倣は一切ないと断言していたことに関しましては、先日の会見のとおり何も変わりはございません」と改めて主張している。