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【小町の法律相談】PTAの買い物で立て替え払い、ポイントを自分のものにしたらダメ?

2015年08月14日 10:41  弁護士ドットコム

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(この質問は、「Yomiuri Online」の人気企画「発言小町」に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)


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商品を買った時にもらえるお得なポイント。自分のお金で買った商品ならともかく、そうでない場合はトラブルになることもあるようです。YOMIURI ONLINEの掲示板「発言小町」に寄せられた質問について、竹之内洋人弁護士に聞きました。

Q. PTAの買い物で立て替え払い、ポイントを自分のものにしたらダメ?


子供が通う小学校のPTAの役員をしています。


先日、ある会合を開くことになり、出席者に配る軽食やお茶などを買い出しに行きました。


お店では私が立て替え払いをしましたが、お店の人にポイントカードを出したら、買い物をした金額分のポイントがプラスされ、1000円のポイント券と交換することができました。


その後、PTAの会計から買い物代金を出してもらうため、会計係の人にレシートを渡したところ、「これは何ですか?」と問いつめられたのです。


レシートには、買い出しで得たポイント数と、ポイント券を受け取ったことが記載されていました。


そして、会計係は「PTAのお金で買い物をしたのに、自分のポイントカードにポイントを付けるなんで非常識だ。


ポイント券の1000円分もPTAの会計に入れるべきではないか」と言ったのです。私は、その通りにしなければいけないのでしょうか。


(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)


A. 本来、ポイントはPTAのものです


「PTAの買い物だけで1000円分のポイントをもらったなら、全額渡す必要があります」


PTA活動はボランティアですので、買い物に行った人が手間賃代わりにポイントをもらってもよさそうに思われますが、原則に立ち返ると、ポイントはPTAのお金で買い物をしたことに対して与えられる利益ですから、本来、ポイントはPTAのものです。


買い物に行った人がポイントをもらうためには、PTAの了解が必要です。


ですから、ポイントの扱いについて、何かルールがあるならともかく、ない場合には、自分のポイントカードにポイントをためると、このようなトラブルのもとになります。


やめておいたほうが無難です。


では、既に自分のポイントカードにためてしまった場合はどうなるのかを考えてみましょう。


PTAの買い物だけで特典(1000円分のポイント券)がもらえたのなら、PTAに渡さなくてはなりません。


ただし、今回の買い物の前に、自分の過去の買い物でポイントがたまっていたのでそれと合わせることでもらえた場合もあるでしょう。


そうであれば、1000円分のポイント券をもらうにあたって、PTAのポイントの貢献はその一部ですので、ポイント券をそのまま渡す義務はありません。


ポイントの割合に応じて清算すればよいでしょう。




【取材協力弁護士】
竹之内 洋人(たけのうち・ひろと)弁護士
札幌弁護士会、札幌市消費生活審議会委員、元日本弁護士連合会労働法制委員会委員
事務所名:公園通り法律事務所
事務所URL:http://www.pslaw.jp/