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夏休み明けは“カーテンちょい明け”で快調

2015年08月14日 00:02  オズモール

オズモール

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夜更かしになりやすい夏休み、特に休暇中に海外旅行に出かけるなら時差ボケも心配。休み明け、体のリズムがなかなか戻らなくて朝起きるのがつらかった…なんて経験はない? そこで、長期休暇でずれた体のリズムを短期間で元に戻すコツを、スリープクリニック銀座院長の渋井佳代さんに聞いた。

「長い休みの間に普段の生活リズムと大幅にずれてしまった場合は、寝室のカーテンを少し開けて寝てみましょう。体内時計のズレは、朝日を浴びることでリセットされるので、特に遮光カーテンを使っている場合、完全に閉めて寝ないように注意しましょう」(同)

朝に太陽の光を浴びると、脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から夜間に分泌される“メラトニン”という眠りのホルモンがストップし、カラダが覚醒するそう。

「朝日が差し込まない寝室の場合は、朝になったら枕元の電気スタンドや部屋の明かりをつけてみましょう。特に蛍光灯は照度が高いのでおすすめです」(同)。人工的な光を浴びて体内時計を調整する方法は、医療の現場でも行われているとか。太陽光に近い強い光を出す小型の照明装置も市販されているそう。

海外旅行から戻ってきた後の時差ボケの調整には、行き先にもよるけれど、最低1日は必要とか。カラダのためには、帰国してすぐ出勤するようなハードスケジュールは避けた方がベター。

「帰国の飛行機に乗ったらすぐ、時計を日本時間に合わせるのもポイント。到着が朝なら機内では寝て過ごし、到着が夜でいったん寝てから行動するなら機内では起きて過ごすといいでしょう」(同)

そして、帰国したら朝に日光や強い光を浴びることも重要。

「体内時計は視神経の奥に位置していて、目から入る光が刺激となって針が動きます。朝方に光を浴びると体内時計の針は前進する性質があり、その調整能力は1日1~2時間程度です」(同)

本来、体が元のリズムに慣れるまでには時間がかるものだけど、仕事始めの2~3日前から、いつもの起床時間を目指して少しずつ起きる時間を早めていければ、それほど苦にならないはず。帰国後すぐに仕事がある場合はせめて、出勤当日の朝に外を一駅分歩くなどして、意識して長く日光に当たろう。

夜更かしや旅行で昼夜逆転しやすい夏休み。休暇明けの出勤が少しでも楽になるように工夫してみて。


渋井佳代
スリープクリニック銀座院長/睡眠学会睡眠医療認定医師。睡眠学会認定医。信州大学医学部卒業。東京都職員共済組合清瀬病院神経科、国立精神・神経センター国府台病院精神科睡眠外来、代々木睡眠クリニックを経て現職。著書に『女性のための睡眠バイブル』(主婦と生活社)がある。