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嵐、関ジャニ∞、キスマイ、A.B.C-Zのライブはどう違う? 各グループの特色を分析

2015年08月13日 07:20  リアルサウンド

リアルサウンド

 夏も本番を迎え、これから年末にかけてジャニーズグループのコンサートが頻繁に開催されていく。彼らのライブのスタイルは、実に様々である。正統派アイドル路線のライブパフォーマンスを行なうグループ、“ジャニーズ”へのステレオタイプな印象を取り払うかのようなパフォーマンスで新境地を切り拓いたグループ……歌やメンバーたちのキャラクターはもちろんなのだが、ライブにおけるパフォーマンスにもグループごとに特徴が出ている。その中でも今回は、4グループのライブパフォーマンスの特徴を分析してみたいと思う。


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■後進の手本となった嵐のパフォーマンス


 王道とも言える、嵐のライブパフォーマンス。結成16年目を迎える彼らだが、そのパフォーマンス力は色褪せない。メンバーはすでに全員が30歳を超えているものの全力で“アイドル”であるし、常に一定のクオリティでパフォーマンスを提供し続けていることが、ファンの心を掴んでいる。


 そんな彼らをライブパフォーマンスという視点で切り取った際、特筆したいのが「若手ジャニーズグループライブの基礎を作っている」という点。例えば、ムービングステージ、観客も一緒にダンス(振り付け)をすること、電光掲示板のようなサングラスをかけてのパフォーマンスといった演出は、嵐が最初に行ない、以降にデビューしたグループに引き継がれていったといわれているのだ。


 昨年末に行なわれた「ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN」では、自動制御されるファンライトを導入するなど、今なお新しい試みを続けている。


■関西色を打ち出した関ジャニ∞


 歌、ダンス、お笑いまでマルチにこなす、関ジャニ∞。音楽番組においても、彼らのパフォーマンスはこれまでのジャニーズとは一味違ったものが多く、賛否両論、評価がきっぱり分かれることもしばしばである。そんな彼らの特徴は、「ギャップ」ではないだろうか。


 何かと話題にあがるのは、彼らの「関西ノリ」の部分。さすが関西出身と唸ってしまうノリの良さとメンバー同士のワチャワチャ感は、見ているファンの心を掴んで離さない。もちろんライブでもそれは発揮されており、MCだけでなく曲中・曲間でもメンバー同士がボケ・ツッコミを行なうなど、彼らのカラーが強く出ている。


 しかし、それで終わらないのが関ジャニ∞のライブである。メンバーによる「エイトバンド」では、高いクオリティのバンド演奏を披露しつつ、しっかりと“カッコ良さ”を見せている。一方で、定番曲である『大阪ロマネスク』や『無限大』では感極まったメンバーが涙を流すなど、感動的なシーンも観られるのだ。


 メンバーの脱退、関西から東京へ進出、ほぼ同期である嵐が先に成功を収めたことなど、その道は平坦ではなく、様々な経験を積んできた関ジャニ∞。ジャニーズの中で一番人間らしく、温かいライブパフォーマンスを行なっているのが、彼らなのかもしれない。


■ローラースケートを復活させたKis-My-Ft2


 Kis-My-Ft2と言えば、「ローラースケート」だ。アリーナのメインステージ・センターステージ・バックステージ・外周を縦横無尽に動きまわるため、どの席でもメンバーが近くを通るライブといえよう。また歌いながら滑るだけでなく、セットの坂道を降ったり登ったり、回転をしながらジャンプをしたり、メンバー全員で一つの技を行なったり、数々の技を繰り広げているため、見応えも充分だ。


 一方で、最近ではローラースケートを使ったパフォーマンスをすることも減ってきているように思う。TVなどでも、ローラースケートを脱いだ状態で歌とダンスを披露している場面が多く見られる。特にダンスが得意というイメージがあるわけではないが、よく見てみるとローラースケートで培ってきた運動神経の良さがしっかり活かされているのが面白い。ダンスの息も合っていて、ローラースケート無しでも、常にクオリティの高いパフォーマンスを披露しているグループと言えるのではないだろうか。


■A.B.C-Z


 ジャニーズグループの中で、最も分かりやすいライブパフォーマンスの特徴を持っているグループと言えば、A.B.C-Zだろう。彼らの最大の売りは、「アクロバット」。それはライブにおいても健在である。


 A.B.C-Zのライブは、“コンサート”というよりも“エンターテイメントショー”と言った方がいいのかもしれない。歌やダンス、MCだけでなく、彼らはライブの度にアクロバットの新技を披露してくれるのだ。2014年はメリーゴーランドのような形状の器具を使った「5in1」、2015年は天井から吊るされた額縁状の器具を使った空中パフォーマンス「5Doors」を観せた。ほかのグループでは見られない体を張ったアクロバティックなパフォーマンスは、「圧巻」の一言に尽きる。


 また、今年5月・6月に行なわれた「A.B.C-Z Early summer concert」ではメンバーごとに役割分担をし、自分たちのアイデアでエンターテイメント性を高めていた。これはジュニア時代が長く、自分たちのことを知り尽くしている彼らだからこそできることではないだろうか。



 実に様々なカラーのグループが存在する、ジャニーズ。今後は、好みのパフォーマンスという視点で参加するライブを選んでみるのも楽しいかもしれない。(高橋梓)