秋元康(57)、小室哲哉(56)、そして漫画家の浦沢直樹(55)の3人が8月9日(日)放送の「ボクらの時代」(フジテレビ系)に登場し、3人で鼎談を行った。
鼎談といっても、この3人はそもそも親交があるため(小室と浦沢に至っては中学時代の先輩と後輩という関係)、同窓会のような和やかな雰囲気のトークが印象的だった。(文:松本ミゾレ)
小室哲哉「締め切りがないとモチベーション上がらない」
この3人に共通しているのが、クリエイターとしての仕事をしており、常に「締め切り」が用意されている点だ。
作詞、作曲どちらもこなす小室、放送作家としての顔も持ち、作詞家として日本でも事実上トップクラスの実績を持つ秋元、個性的な作風を商業ベースに乗せて成功し続ける浦沢。 三者ともが天才的な才能を持っているが、彼らにとって締め切りとはどのような意味合いを持つのか。
小室は「締め切りは好き。締め切りがないとモチベーションが上がらない」と語る。浦沢も締め切りを仕事の原動力にしてきたようで、全盛期には月に6回も締め切りがあった。しかも催促されるのが嫌いなので、締め切り前に仕上げて自分から編集者に「終わったから(原稿を)取りに来て」と連絡するのだという。
一方で、秋元は「締め切りは一応暫定的なもの」というスタンス。限界まで「チキンレース」のように粘るのだそうだ。
「これ以上(締め切りを)飛ばすと発売中止になるな、延期になるなというギリギリが好き」
実際に締め切りに間に合わず発売延期になったこともあったという。
小室や浦沢が用意された納期までに仕上げることを目標にするタイプなら、秋元は逆に、限界まで引き伸ばしてそれをプレッシャーにするタイプというわけだ。考え方は両極端だが、3人とも、それぞれのスタイルでしっかりと結果を残してきている。
秋元康「世間の評判は『なるほどな』と思いながら読む」
番組中盤には、小室が2人に向けて「2人とも失敗してないよね。人生自体、失敗してないじゃない」と、興味深い問いを投げかけるシーンがあった。
小室が以前にやらかした詐欺事件についての自虐的な発言であることは間違いないが、これに対して2人とも「リアクションしようがないよ(笑)」「突っ込まれたいんですか」と遠慮せずに笑って言える関係がなんとなく良い。
もっとも、小室に「順風満帆」と言われる秋元と浦沢も、落ち込む瞬間はあるようだ。浦沢は自分の作品の評価を見る際には、極力自分が傷つくであろう評価は見ないようにしているという。
「100個褒められても1個変なこと言われると、そっちの方が重い。ナイーブだから触れないようにしている」
そして秋元は、自身について「どうしても打たれやすいタイプだと思う」と語る。世間の評判は「気にする」といい「AKBの運営についてとか、僕についてとか、凄い真理を突いて来ることもあるんで、『なるほどな』と思いながら読む」のだそうだ。ただ一方で、「事情の分からないまま攻撃している」と感じる意見もあるという。
ネットでは秋元康のツルツルのスネに注目集まる
番組終盤では、残りの人生で何をするかを3人が考えるシーンがある。それぞれに葛藤はあるようで、特に秋元は「ない……何か(目的を)探さなきゃ」と焦りを覗かせたが、すぐに3人でバンドを結成しようという話題に意気投合。「誰が聴くんだよ」と自虐的な声を挙げつつ、全員がそれなりに乗り気だったのが微笑ましい。
いくつになっても目標を失わないというのは大事なこと。この番組を観て、目標らしい目標を1人では見出せない時に、助け舟を出していっしょに考えてくれる仲間がいるというのも、非常に大事なことだと気付かされた。
なお、これは完全に余談だが、もう一つの気付きとしては、秋元のスネがびっくりするほどツルツルだったことを挙げておきたい。ネットでは「秋元康どんだけスネ磨いてんだよ!」なんて感想も出ていた。
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