牛丼チェーン「すき家」でのブラック労働が問題になり、一気に世の中に広まった「ワンオペ」という言葉。人手が足りないあまりに、スタッフ1人で店を回すことを指す業界用語だが、この実態が8月7日に2ちゃんねるに書き込まれ、改めて話題となっている。
スレッド名は「【24時間営業】某牛丼屋での思い出を語るよ【安売り戦争】」というもの。スレ主は牛丼店に長年バイトとして勤務していたといい、例のごとくワンオペを何回も経験していたという。
店内に食器とトレーが散乱。洗い物のタワーができる
通常ワンオペというと深夜帯の勤務をイメージするが、スレ主によれば店が忙しい昼どきに1人ということもあった。朝9時から働き、11時に来るヘルプを待っていたら、社員から店に電話があり、要員を手配できないので夜まで1人で頑張るよう言われたという。
仕方なく1人で業務を敢行。客を何十分も待たせて怒られたりしながらも、昼のピーク時に1時間で40食を提供した。手が回らずに店内には食器やトレーが散乱。洗い物のタワーができたという。
人手不足でヘルプが確保できないことは頻繁にあったようで、朝の9時から夜10時まで13時間ぶっ通しでワンオペ勤務をしたこともあった。深夜帯の交代要員が体調不良などで急遽来られなくなった時は、翌朝までワンオペで働き続けた。しかも、次の日もまた朝からシフトに入っている訳だから、かなり過酷だ。
「人件費削りたいからとギリギリの体制で運営すると、ちょっとした拍子で悲惨なことになるのだ」
深夜のワンオペで怖いのが、強盗の存在だ。スレ主もワンオペ中に強盗が「ご来店」し、刃物を突きつけられて金を要求されたことがあった。強盗が逃げた後、警察が来て現場検証が行われたが、それが終わった直後に社員は「じゃ、肉煮ようか!」と発言。強盗を目の当たりにした社員へのフォローもなく、何事もなかったかのように営業を再開したという。
すき家に対しては「少しは反省したみたいですね」と評価
一連の書き込みに対し、ネットでは「恐ろしい話ダナー」「想像しただけできつい」と驚愕する声や、「気のせいか既視感あるな」と指摘する声があがった。
スレ主は自分が働いていたチェーン店の具体的な名前は明らかにしなかったが、「松屋ではない」「吉野家は好き」などともコメント。また「すき家でバイトしてるけどある時期に改善されたらしくて今はそんなにやばくはないかな」という書き込みに対しては、
「あの会社、少しは反省したみたいですね。いやこれまで調子に乗りすぎたと言うべきかもですが」
と反応。自分が関わっていた店であることをほのめかしている。
なお、スレ主はワンオペ以外にも休憩なしの24時間連続勤務や、終電を逃して店にダンボールを敷いて寝た、といった体験談を披露。社員はもっと過酷だったようで、「年末年始やお盆は24時間どころか48時間や72時間勤務なんかもいた」と振り返っている。
2ちゃんねるですき家への告発が相次ぐ
2ちゃんねるでは最近、すき家の勤務実態を告発する書き込みが相次いでいる。7月初旬にも「【ゼンショー】牛丼戦争下でのすき家バイトの悲惨さを証言するよ」というスレッドが立てられた。
すき家のバイト経験者であるスレ主が「新人でもワンオペ。調理法方が分からずネットで調べる」「10時間連続ワンオペは普通」「店長もバイト、面接官もバイト」と証言し、「不当廉売は長い目で見れば社会全体をダメにします」と警鐘を鳴らしている。
なお、すき家を運営するゼンショーホールディングスは、昨年ブラック労働を解消するために第三者委員会を設置。全国7つの地域に店舗運営を担当する会社を置くなどしてマネジメントを強化し、労働環境の改善を図っているとされる。書き込まれた状況がいまもどこかの店舗で密かに続いているかどうかは不明だ。
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