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秋元康、小室哲哉と浦沢直樹に独自の“締め切り”論展開 「一応暫定的なものだと思ってる」

2015年08月10日 13:21  リアルサウンド

リアルサウンド

ボクらの時代

 8月9日に放送されたフジテレビ系列の番組『ボクらの時代』に秋元康と小室哲哉、浦沢直樹が出演した。同番組は、時代を彩る超一流の3人が自由気ままにトークをするMC、台本なしの「語り」の面白さを存分に楽しむトークドキュメンタリーである。


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 冒頭、まずは小室が「締め切りが好き」と作家として締め切りがあったほうが仕事をしやすいという旨を話すと、秋元は「締め切りっていうのは一応暫定的なものだと思ってるから。『もうすぐですか?』っていうその声で、あ、限界ギリギリまで来たかなっていうチキンレースだから」と答えた。すると、浦沢は「それが好きなんじゃないの?」と質問し、秋元は「好き。これ飛ばすと間に合わない。発売延期になるなっていうギリギリが好きなの」と際どい発言をし、2人はこれに感心していた。


 続いて、繁忙期の話になり、秋元は「一番忙しい時はどういうの?」と小室に質問。これに対し、小室は「手を引っ張られる感じで会議に…」と答えると、秋元は「西麻布でよくすれ違ったけど、本当に取り巻き多かったよね」と当時の小室の姿を回想した。続いて秋元が「1日何曲ぐらい作ってたの?」と話すと、小室は「日本じゃないけどロスとかでは1日4曲ですね。スタジオ両(2つ)サイドで4曲とかはやったことあるけどね。でも、秋元ちゃんの方が量は多いよね」と返し、秋元は「でも、僕の場合は元々寝ないんですよ。2時間か、3時間ぐらい。だから人より仕事出来る時間は多いけどね」と答えていた。


 3人がこれからについて話し始めると、小室は「僕は元々洋楽からなんで、世界に出たかった。外国の人がお客さんで僕を見てるってすごいなって思って。いつかそういうのに立ちたいなって思ってたんだけど、今更この年齢でワールドワイドなツアーとかは無理かなって諦めてるから」と話すと、秋元は「諦めなくていいんじゃないの?」とエール。これに対し、小室が「それこそ秋元ちゃんはないの?」と質問すると、秋元は「俺はないんだよね。何か探さなきゃっていう。俺が探していたものってなんだろうって。まだモヤモヤしたものがあるんだよね」と自身について語った。


 その後、秋元は自身のターニングポイントについて「美空ひばりが詞を褒めてくれたこと」とコメントすると、小室は「My Revolutionが出来たこと」とこれに続いた。小室は「こうやって話させてもらったりしてるのも、事件とかでご迷惑かけたりしてるのもあったからね」と自身が起こした事件について語ると、秋元は「小室哲哉は天才だからね。事件のあとすぐに連絡して、会って、(音楽活動)やんなきゃダメだ、って言って」と当時のエピソードを明かし、小室は「今、音楽が楽しいからね。仕事は仕事でも趣味に戻ってるところもある」と、現状の充実ぶりを話した。


 エンドトークでは、小室が「3人でバンドやんない?」と提案すると、秋元も「いいよ」と話し、小室は「(浦沢に向かって)リードボーカルだね。僕は声ダメでアンチ多いから」と語ると、浦沢は「でも、小室さんが弾いたら大体枠組み出来てくるんじゃない?」と返答。小室はこれに対し「僕はキーボードじゃなくてギターかベース」と述べ、浦沢は「……しょっぽいバンドだぜ(笑)」と返し、笑いが起こった。続けて秋元が「俺はリコーダー?」と質問すると、小室は「座り(ドラム)がいいんじゃない?」と提案し、秋元は「俺だけ手拍子合わなくなってくるからな」と自身のリズム感のなさを語った。


 最後に秋元は「でも、格好いいと思うよ。これでオリコンとかビルボードでバンといったら」と妄想すると、浦沢は「AKU(秋元、小室、浦沢)ですね(笑)」とコメントし、秋元は「でも、誰が聴くんだろう。俺たちの音楽を(笑)」と笑いながら自虐。これに対し、小室は「AKB48のメンバーは先生の音楽だったら買うんじゃない?」とキツい返しをし、3人が笑いあったところで番組が終了した。


 有名音楽家と有名漫画家、有名プロデューサーの3人がキャリアの裏側を明かした今回の放送。果たして3人のバンドは結成されるのか、期待を寄せたい。


(文=向原康太)