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スーパーGT富士:GT300決勝はSLS勢を抑えARTA CR-Z GTが優勝

2015年08月09日 20:20  AUTOSPORT web

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終始レースをリードしてポール・トゥ・ウインを飾ったARTA CR-Z GT
スーパーGT第4戦は9日、富士スピードウェイで66周の決勝レースが行われ、GT300クラスはポールシッターのARTA CR-Z GTが優勝した。

 午前中に行われたフリー走行に続き、青空が広がった富士スピードウェイ。気温31度、路面温度45度、湿度46%というコンディションのもと、静岡県警先導によるパレードラップが行われた後、66周の決勝の火蓋が切って落とされた。

 スタート直後の1コーナーでは、3番手スタートだったTOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀が4番手スタートのStudie BMW Z4をドライブする荒聖治、5番手のグッドスマイル 初音ミク SLSを駆る片岡龍也に交わされ後退。また、その周のダンロップコーナーでは、B-MAX NDDP GT-RとRacing Tech Audiが激しくクラッシュ。B-MAX GT-Rは右フロントを大きく破損してしまい、1周目でリタイアすることとなった。一方のRacing Tech Audiも数周を重ねた後、リタイアしている。

 ARTA CR-Z GTをドライブする高木真一は、9周目終わりにリードを5.5秒まで広げることに成功。2位争いは、LEON SLS、Studie Z4、GAINER TANAX SLS、プリウスまでが数珠つなぎとなるバトルが展開していく。

 激しい戦いとなった2位争いは14周目、最終コーナーでStudie Z4にオーバーテイクされたLEON SLSがストレートで並びかけると、その外側からGAINER SLSが追いつき三つ巴のバトルに発展。1コーナーのブレーキングでLEON SLSとGAINER SLSが順位をあげ、Studie Z4は順位をふたつ落とすこととなってしまう。勢いに乗るGAINER SLSは、同じ周の最終コーナーでLEON SLSのインを突いてオーバーテイク。2番手へ浮上した。

 ペースが上がらない3番手LEON SLSはその後、16周目のダンロップコーナーでStudie Z4にオーバーテイクされ、翌周には、グッドスマイル 初音ミク SLSにも順位を奪われ5番手まで後退している。

 20周目には、1コーナーで6番手を走行していたGAINER TANAX GT-Rのイン側にGT500クラスのARTA NSX CONCEPT-GTが飛び込む形でクラッシュ。両車とも走行は再開したが、GAINER GT-Rはリヤウイングの翼端板を失った状態での走行を強いられることとなった。

 規定周回数の3分の1を過ぎた23周目終わりから、各車ルーティーンのピット作業の時間を迎える。2番手を走行していたGAINER SLSを先頭に18番手LEON SLS、10番手プリウスが続々とピットイン。GAINER SLSは18番手、LEON SLSは19番手、プリウスは20番手でコースへ復帰していった。その翌周にはStudie BMW Z4がピットイン。39.4秒で作業を終え、先にピットインしていたSLSとプリウスをかわすことに成功した。

 25周目には2番手まで浮上していた初音ミク SLSがピットイン。右フロントタイヤの交換に時間がかかったものの、10番手でコースへ戻っていった。しかし、タイヤがしっかりと装着されていなかったのか、アウトラップで右フロントから白煙が上がり、スローダウン。再びピットインを強いられ、上位争いからは脱落してしまう。

 トップを快走していたARTA CR-Z GTの高木は28周目にピットイン。チームはドライバーを小林崇志に交代し、5番手でマシンを送り出した。

 33周目には、ピット作業で順位をあげていたStudie BMW Z4の左フロントタイヤがバースト。コース終盤でのアクシデントだったため、マシンへのダメージを最小限に抑えてレースに復帰したが、14番手までポジションダウンする。

 39周目を終えた時点のトップはシンティアム・アップル・ロータスの加藤寛規。2番手にはVivaC 86 MCの松井孝充がつけるが、この2台はピット作業を行なっていない。ただ、3番手のCR-Zとは48秒差となっており、実質的なトップはCR-Zが維持したまま。以下LEON SLS、GAINER SLS、JMS LMcorsa Z4と続いている。

 ピット作業を引き延ばしていたマザーシャシーの2台は、VivaC 86 MCが40周目に、シンティアム・アップル・ロータスは43周目にピットへ。これでARTA CR-Zが再び首位に立つと、2番手以下とは20秒以上のギャップを作って周回を重ねる。

 レース終盤になると、コース上はアクシデントなどで破損したマシンのパーツが目立ち始める。そして42周目、順位を争い並走していたJMS LMcorsa Z4とExcellence Porscheがホームストレート上に落ちていたデブリの上を通過。JMS Z4は走行を続けたものの、ポルシェはフロントから液漏れが発生。アドバンコーナーでマシンをストップさせリタイアしている。

 さらに53周目には、ホームストレート上でシンティアム・アップル・ロータスの右リヤタイヤがバースト。ドライバーの高橋一穂はマシンをコントロールし、ホームストレート脇のランオフエリアにマシンを停めることとなった。

 これまで以上にアクシデントが多いレース展開となったが、上位陣はアクシデントを寄せ付けないレース運びを展開。ポールポジションからスタートしたARTA CR-Z GTは、最終的に9.3秒のリードを保ちトップチェッカーを受けた。2位はLEON SLSが獲得し、チーム最上位記録を更新。終盤、1秒前後まで接近したGAINER SLSとJMS LMcorsa Z4による3位争いは、GAINER SLSがリードを守りきりフィニッシュ。5月に行われた第2戦富士に続き、3位を獲得した。