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浜崎あゆみ、“完全復活の日”は近い? ライブ・楽曲から現在のパフォーマンスを検証

2015年08月08日 19:10  リアルサウンド

リアルサウンド

浜崎あゆみ『sixxxxxx【CD+Blu-ray】』

 浜崎あゆみが、8月8日放送の『SONGS』(NHK総合)に出演。数々の代表曲を披露するほか、ロングインタビューにも応じ、現在の気持ちを赤裸々に語るという。


 浜崎は近年、活動拠点をアメリカに移していたため、ここ日本ではリリースこそあったものの、以前ほど活発に音楽活動を展開していなかった。だが、2014年中盤からはテレビ露出も増え、年末である12月9日にリリースされた『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』では、同年代で好敵手とされていた宇多田ヒカルの楽曲「Movin' on without you」をカバー。2015年4月8日には“原点回帰”をテーマにしたアルバム『A ONE』をリリースした。


 J-POPシーンの動向に詳しい音楽コンシェルジュのふくりゅう氏は、近年の彼女をこう評価する。


「浜崎あゆみの人気はいま盛り返していると思います。そのきっかけは、昨年末にリリースされた、当時ライバルと称された宇多田ヒカルのカバーアルバム『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』への参加でした。なかでも最もアップテンポな「Movin' on without you」を選んだあゆは、共に時代を作ってきた宇多田へのリスペクトを込めながらも、あゆらしい攻めのダンスミュージックを乗せて楽曲を自分のモノとし、当時の彼女たちを知るリスナーを歓喜させ、新たなファンも多く獲得しました。その後、同曲も収録した16枚目のオリジナル・アルバム『A ONE』では、初期のあゆを彷彿とさせるJ-POP王道な世界感へ立ち戻ったことで、その評価を一時的なものにせず、改めて浜崎あゆみのうたを世に知らしめています。同作では、小室哲哉が作曲家として『NO FUTURE』、『Anything for You』、『The Show Must Go On』、『Walk』などの名曲を生み出しており、ポジティブな相乗効果を生み出していることにも注目です」


 浜崎あゆみ“復活”の兆しは、ライブにも表れているという。


「7月6日の横浜アリーナ公演でファイナルを迎えた全国アリーナツアー『“ayumi hamasaki ARENA TOUR 2015 A Cirque de Minuit ~真夜中のサーカス~”』を観れば、あゆが今もなおライブ・エンタテインメントの最前線にいることがわかると思います。いや、思い知らされることでしょう。まさに“こんなライブはじめて!”という圧倒的なショーを楽しませてくれます。それこそ、無意味な演出が一切無く、シルク・ドゥ・ソレイユにインスピレーションを得たであろうアクロバティックが魅力のサーカス的なショーは、セットの豪華さ、パフォーマーやダンサーのスキルの高さを含め、“音楽ライブ”の枠には収まりきらないものでした。はじめて彼女のライブを観た人は、そのすごさに圧倒されたと思います。とはいえ、1曲ごとに空中パフォーマンスや、LEDなど映像を活用し、きらびやかな象や空中ブランコが出現するなど、曲ごとにまったく違う演出が施されており、たとえアルバム作品を予習していなくても、一切飽きること無く楽しめるステージが展開されていました。しかも、アンコール込みでトータル3時間45分、過去のツアー史上最多となる全35曲を披露しており、評論家的に変に穿った見方をする余裕を一切与えず、やりたいことをやりきった現在のあゆは、“完全復活”という言葉がぴったりだったといえます。アンコールでは、もちろん宇多田ヒカルのカバー曲「Movin' on without you」も披露され、大きな盛り上がりとなっていました」


 最後に、8月5日にリリースした今年2枚目のアルバム『sixxxxxx』には、番組でも熱唱することが予定されており、浜崎の勢いを感じさせる楽曲「Step by step」が収録されている。同曲について、ふくりゅう氏はこう評価する。


「ライブでも披露していましたが、6曲収録アルバムとして新しいスタイルを提案している『sixxxxxx』収録の最新曲「Step by step」は、夏向きなJ-POPチューンとして完成度が高いナンバーです。歌詞での<もう一歩って 例えばそれが最後の一歩になっても悔やまないように もう一歩って踏み出す僕らの勇気は100歩分以上の意味を持つから>というフレーズ、そして“無いものをいつまで数えているより 有るものいくつ気付けるかだよ”など、シンプルながらも力強く突き刺さってくるメッセージ。CDセールス枚数が人気評価の意味を持たなくなった時代に、このポップチューンがどんな広がりを持つかが楽しみです」


 着実に蒔き続けてきた復活への種子が、このタイミングで花開くのか。『SONGS』の放送を楽しみに待ちたい。(向原康太)