来季以降の開催が危ぶまれていた世界ラリー選手権(WRC)のウェールズ・ラリーGBは、ウェールズ政府の支援を受け、少なくとも2018年までWRCを開催する見込みとなった。
ラリーGBを含む複数のWRCヨーロッパラウンドは、マニュファクチャラーがラリー中国の復活を希望していることや資金難などにより、来季カレンダーから脱落する可能性があると報じられていた。
今週水曜日に発表された声明文では、ウェールズ政府は少なくとも2018年までラリーGBを支援し、2003年から続く同ラリーへの協力体制を維持していくと記されている。
WRCプロモーターチーフのオリビエ・チエスラは、ラリーGBを来季カレンダーに組み込むべく、調整を行っていると語っている。
「我々はプロモーターとして、WRCコミッションや世界モータースポーツ評議会(WMSC)に、実現可能なカレンダーを提示する義務がある」
「2016年のカレンダーに、ラリーGBを組み込むべく作業を進めている段階だ」
来季のカレンダーでは、ラリーGBは例年の11月から10月へ開催時期が変更され、シリーズ最終戦はオーストラリアで開催されるものとみられているが、チエスラはラリーGBの具体的な開催日程についてコメントを控えている。
ウェールズ政府による支援は今後3年間で400万ポンド以上の効果があると報告されており、ラリーGBのマネージャーチーフを務めるベン・テイラーは、政府からの支援を効果的に利用していくと述べている。
「開催期間を3年間延長することができて嬉しく思っている」とテイラー。
「我々には世界で最も素晴らしいラリーを開催したいという野望がある。世界一のラリーを目指すという意志がなければ、最善の仕事を行うことはできないよ」
「ラリーGBを、ほかの開催国からベンチマークにされるイベントにしたいんだ」
FIAのWRCマネージャーを務めるミシェル・モートンは、来年のラリーGBが待ち遠しいとコメントしている。
「ラリーGBは伝統的なイベントで、チャンピオンシップにとって必要不可欠なものです」
「WRCのスケジュールを組むのは簡単ではありません。マニュファクチャラーの要望に応えながら、伝統と歴史と新しい市場のバランスがとれたスケジュールを組む必要があるのです」