8月3日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で取り上げられたのは、「仕事を通じて叶えたい夢」がある新入社員が減少しているという記事だった。
日本生産性本部が行った調査では、仕事で叶えたい夢が「ある」と答えた新入社員は、調査開始以来2番目に低い58.9%。この現状を専門家は「賃金が上がらない親の姿などを見て育ち、現状維持を望む若者が多いのではないか」と分析しているという。(文:みゆくらけん)
「世の中の雰囲気」反映されているだけなのか
これを受け、コメンテーターのマツコ・デラックスは「そもそも仕事で夢を叶えるってどういう意味なんだろうね」とコメント。夢の定義がどこにあるのかイマイチ分からないとしながらも、「結局そのときの景気が良い悪いだの、世の中の雰囲気で出てるだけの数字」と言い切った。さらにはズバっとこんな発言も。
「夢がどうこうよりは、現時点で日本社会が夢も希望もないってことが数字で明るみに出たよってこと」
確かにマツコの言うように、今の日本で仕事でも仕事以外でも、何か果たしたい夢を持てる人は少ないのかもしれない。元記事についてのネットの反応も冷ややかだ。
「ぶっちゃけ(夢は)ねーな。これといった才能が無いからサラリーマンやってて、周りよりちょっと仕事うまくいきゃ、チンケな自尊心を満たすってのがせいぜいだ」
「(仕事で夢を叶えるなんて)そんなお気楽じゃ生きられない世の中だろ」
「そんなもんリーマン選んだ時点であるわけねーだろ!生活のために決まってるだろ!」
「やりがいとかいらないんで残業代ください。ないなら定時で帰らせろ」
気になるのは2番目の「そんなお気楽じゃ生きられない世の中」というコメントだ。高い理想を持つ以前に、日々生き延びることで精一杯という感覚なのかもしれない。
「与えられたことを必死にやれば結果出る」
このコメントは一見すると斜に構えた批判にも思えるけど、実はちゃんと危機感があって地に足が着いていて、夢を見ながら他人に頼る甘えた生き方よりもずっといいと思う。
今回「仕事を通じて叶えたい夢がある」と答えた人の割合が過去2番目に低かったというのは、不景気を反映しているなぁとは思うが、それ以外で特に悪い結果だとは個人的には思えない。
それに日本社会が停滞していると言ったって、こんなにも恵まれた国なんて世界中探してもそうそうない。夢がなくても、ある程度豊かな生活が送れているはず。もし豊かでなければ、夢以前に努力すべきことがある。
まぁ、夢にもいろいろあって「人の役に立てる自分になりたい」「憧れの先輩みたいになりたい」とかなら持ってた方がいいけれど、過剰な期待をする必要もないだろう。マツコも最後にこう締め括っていた。
「仕事って、そんなに夢や希望が詰まっているものではないですよ、そもそもが。与えられていることを必死にやってると、なんか結果が出ますよ」
仕事で夢を持てない新入社員たち、心配することはない。
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