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GENERATIONS&EXILE SHOKICHIが『サマソニ』に出る意義とは? 柴那典が多角的に分析

2015年08月04日 17:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『SUMMER SONIC 2015』公式HP

 8月15日、16日に千葉・QVCマリンフィールド&幕張メッセと大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場で同時開催されるロックフェスティバル『SUMMER SONIC 2015』に、GENERATIONS from EXILE TRIBEとEXILE SHOKICHIの出演が決定した。


 GENERATIONS from EXILE TRIBEは16日の千葉公演に、EXILE SHOKICHIは16日の大阪公演に登場することが明らかになっており、2組とも同フェスには初出演。音楽ファンはこのブッキングに様々な反応を示している。


 LDH系のアーティストが同フェスへ出演する意義とはいったい何なのだろうか。リアルサウンドで連載『フェス文化論』を持つ音楽ジャーナリストの柴 那典氏は、今回の起用についてこう述べる。


「サマソニはここ数年でポップアクトを多数起用し、全方位の音楽フェスとして観客を楽しませ続けており、LDH系のアーティストが出ることすら違和感がないくらいには、何でもアリな状況が構築されています。昨年の『SUMMER SONIC 2014』にDREAMS COME TRUEが出演したという事実を踏まえると、元々ドリカムのバックダンサーをしていた経緯を持つHIROが社長を務めるLDH系のアーティストが登場することには、むしろ文化的な繋がりを感じますね」


 今回のLDH系のアーティストの登場は、音楽的な側面ではどうだろうか。


「EDMシーンのアーティストやK-POP系のグループなども同フェスにはこれまで多数出演していますが、GENERATIONS from EXILE TRIBEはそれらを土台としたジャンルの楽曲が少なくないため、音楽面で浮くことはまずないでしょう。とくにK-POPとは、R&BとEDMを経たアジアのダンスグループという意味での共通点も多いですし、そういう意味では防弾少年団との相性は抜群といえます」


 タイムテーブル面でも、GENERATIONS from EXILE TRIBEのファンが飽きることなく最後のファレル・ウィリアムスまで楽しめるのは、同フェスならではだと同氏は続ける。


「GENERATIONS from EXILE TRIBEだけを観たい人もいるとは思いますが、サマソニはそういうファンにも多種多様な音楽との出会いを用意している。そのままBEACH STAGEのエピック・ハイへ行ったり、MARINE STAGEのZEDDやRAINBOW STAGEの防弾少年団、MOUNTAIN STAGEのカーリー・レイ・ジェプセンで踊って、最後はMARINE STAGEのファレル・ウィリアムスで『HAPPY』を合唱する、という楽しみ方ができますね」


 最後に同氏は、今回のLDH勢出演は、運営側による近い将来への布石なのではないかと推察した。


「『SUMMER SONIC』はここ数年でどんどん間口を広げたがゆえに、いまやもっとも大衆的なフェスになりました。先日リリースされた三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの新曲『Summer Madness』は、世界的なEDMプロデューサーであるアフロジャックを迎えて制作されたものですが、サマソニならこの両者への受け皿になれるでしょう。いずれはMARINE STAGEでこの2組の共演を見れる日がくるのかもしれませんね」


 大型グループの出演を見据えた戦略だとすれば、ある意味で実験的だといえるGENERATIONS from EXILE TRIBEとEXILE SHOKICHIの起用。今回のステージが成功すれば、『SUMMER SONIC』はさらにポップミュージック全般をカバーするフェスとして認知を高めるはずだ。(リアルサウンド編集部)