トップへ

嵐・大野、Kinki・剛、NEWS・手越……歌ウマジャニーズの“発声法”を分析

2015年08月04日 07:20  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 容姿、ダンス、演技、歌……様々なスキルをあますところなく発揮し、人気を得ているジャニーズの面々。これまでファンの多くは彼らの“音楽”はもちろんだが、総合的な“パフォーマンス”にこそ惹かれていたのではないか。しかし昨今では、歌唱力そのものを評価され、ソロの歌手として活躍するメンバーも少なくない。今回は「発声法」という視点から見て、「高い歌唱力を持っている」と言えるメンバーにスポットライトを当ててみたいと思う。


参考:NEWS・手越祐也はなぜモテる? 奔放すぎるアイドルの“人間力”を検証


■ソウルフルな歌声の嵐・大野智


 押しも押されもせぬ、国民的アイドルグループとなった嵐。そのメンバーである大野智は、「歌が上手いジャニーズ」として必ず名前が挙げられる存在だ。


 まず注目したいのが、息の吐き方。特にブレス前の部分が分かりやすいと思うが、丁寧に息を吐き切ってからブレスをし、次のフレーズを歌い出している。これはしっかりと腹式呼吸をしているからこそできること。言わば「息で歌っている」状態なのだ。「息で歌っている」状態の何が良いかと言うと、楽に声を出すことができる。その証拠に、大野のロングトーンは声が均一でブレておらず、長く一定の音を出すことができている。


 そうした基礎に、ビブラートやフェイクなどのテクニックを乗せ、大野らしさをトッピングしている。アイドルらしからぬソウルフルな歌声は、音楽業界の中でも評判が高い。


■練習量を感じさせるKinKi Kids・堂本剛


 ジャニーズにおいて、グループでデビューした後にソロデビューを果たした先駆け的存在と言える、KinKi Kids・堂本剛。これまでに11枚のCDシングルを発売しており、あのMichael Jacksonからも「歌が上手い」と評されたこともあるほどだ。


 そんな彼の特徴は、何と言ってもビブラート。ビブラートの出し方は2通りある。1つは、音程に高低をつけて出す方法。これは喉の筋肉を使って音程を一定に揺ら方法である。2つ目は、音量を震わせて出す方法。横隔膜を使い、ゆったりとしたビブラートをかけることができる方法だ。


 ビブラートがかかる部分で声量が大きくなる堂本剛の歌い方を聴くと、おそらく横隔膜を使う方法でビブラートをかけていると思われる。しかし、横隔膜を使うビブラートは自然なビブラートを作りやすい一方で、習得までに時間がかかる。つまり、彼は相当な練習量をこなしているのではないだろうか。


 その練習量と堂本独特の感性が相俟って、あの歌唱力が生まれたと言っていいだろう。


■声量とハイトーンボイスに定評があるNEWS・手越祐也


 何かと世間の注目を浴びている、NEWSの手越祐也。今ではバラエティ番組でもその頭角を表し、高い視聴率を弾き出す存在にまでなった。方々で活躍をしている手越だが、その歌唱力も「一聴の価値あり」だ。


 手越といえば、声量とハイトーンボイスが特徴的。増田貴久と活動をしているテゴマスでは、手越が高音パート・増田が低音パートを歌い、見事なハーモニーを紡ぎ出している。


 声量をコントロールする鍵は、呼吸法とブレス。しっかりと腹式呼吸で息を吸い、喉を開けた状態で口内・頭・胸・鼻全ての空洞に声を響かせる。さらに、丁寧に息を吐くことでブレスのタイミングを正確に合わせることができる。これら2つが出来てはじめて、声量を増すことができるのだ。手越は、これらを見事に習得していると言っていいだろう。


 『Myojo』2010年11月号には、「NEWSとしてデビューしてから2年くらい、歌唱力をつけるために自分で探したボイストレーナーの先生に個人的にレッスンをしてもらってたの」という手越の言葉も掲載されている。ストイックな彼の性格が、抜群の歌唱力を身につける動力になったのかもしれない。


 上記で紹介した他にも、TOKIO・長瀬智也、関ジャニ∞・渋谷すばる、V6・坂本昌行、Hey!Say!JUMP・山田涼介、A.B.C-Z・橋本良亮、ジャニーズWEST・桐山照史など、歌が上手いと言われるメンバーが多々在籍しているジャニーズ事務所。端整な外見と多様な個性にプラスして、歌唱力に注目してみても「ジャニーズの世界」が楽しめるはずだ。(高橋梓)