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スーパー耐久第4戦オートポリス:3号車ENDLESS ADVAN BMWが今季3勝目。2クラスで王者が決定

2015年08月03日 09:40  AUTOSPORT web

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今季3勝目を飾った3号車ENDLESS ADVAN BMWのYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/元嶋佑弥組
スーパー耐久シリーズの第4戦がオートポリスで8月1、2日に開催。灼熱の中での戦いとなったレースは、序盤にGT-R勢にアクシデントが続き、総合優勝は3号車ENDLESS ADVAN BMWのYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/元嶋佑弥組が飾った。これで今季3勝目となり悲願の王座獲得にまた一歩前身を果たした。同じく今季3勝目をST-2クラスの59号車DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/松田晃司/吉田寿博組が、ST-5クラスの69号車BRP★J’S RACING フィットの大野尊久/梅本淳一組が達成し、2戦を残してチャンピオン決定となった。

 4回目にして初めて8月に開催されることとなったオートポリスでのスーパー耐久。夕立に襲われるとの予報もあったが、レースウイークは雨に見舞われることもなく、絶えず強烈な暑さとの戦いになった。

 ポールポジションを獲得したのは、1号車GTNET ADVAN C-WEST GT-RのGAMISAN/星野一樹/吉田広樹組。最速タイムは、Bドライバーのセッションでは片岡龍也(16号車REAF REAL ESTATE KiiVA BMW)がマークしたものの、タイム合算では他を上回ることとなった。日曜日の早朝8時から30分間のフリー走行が行われたが、ここでのトップは藤井誠暢(24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-R)が獲得。予選の結果と合わせても、ここまで苦戦を強いられたGT-R勢の巻き返しが予想された。

 実際、決勝がスタートすると、吉田(GTNET ADVAN C-WEST GT-R)、藤波清斗(5号車MACH MAKERS GT-R)、高星明誠(スリーボンド日産自動車大学校GT-R)の順でトップ争いが繰り広げられ、この3台がレースをリードしていくと思われた。しかし、ほころびは序盤のうちに予想外の形で広がっていく。まず、フリー走行中のピット作業違反が決勝で反映されて、まず高星がドライビングスルーペナルティを科せられ、わずか4周目にして大きく順位を落とす。そして、トップを走っていた吉田がマフラーからの出火で19周目にピットイン。代わってトップに立った藤波も、次の周に最終コーナーでバックマーカーと接触し、スピンを喫したばかりか、その際に足まわりにダメージを負って、それぞれ大きく順位を落とすこととなった。

 これにより、トップに浮上したのは片岡龍也(REAF REAL ESTATE KiiVA BMW)で、2番手の元嶋佑弥(ENDLESS ADVAN BMW)を徐々に引き離していく。この状況に素早く対応し、元嶋がYUKE TANIGUCHIと交代したのは、片岡からHIROMASA NISHIDAへの交代より3周早い34周目。

 NISHIDAがコースに戻った時もトップだったが、それから2周後に勢いに乗るTANIGUCHIは逆転に成功。ペースで上回ったTANIGUCHIが徐々に差を広げていくと、つづいて60周目からドライブした峰尾恭輔は独走状態に。難なく逃げ切りを果たし、TANIGUCHI/峰尾/元嶋組の圧勝となった。

 2位を獲得したのは、8号車ARN SLS AMG GT3の永井宏明/佐々木孝太組。最終ラップの直前にいったんは藤井誠暢(スリーボンド日産自動車大学校GT-R)の先行を許すも逆転に成功した。その際に軽い接触があり、右フロントのホイールバルブを傷めた藤井はストレートでコントロールを失うが辛くもチェッカーを受ける。3位に入ったことでTANIGUCHI組の王座決定を阻止することに成功した。


 ST-2クラスでは59号車大澤学/松田晃司/吉田寿博組が、予選でトップ。決勝では大澤が20号車RSオガワADVANランサーの松本武士からの強いプレッシャーを受けたばかりか、予選からの懸案事項だった水温状況に苦しみ、12周目には逆転を許す。しかし、第2スティントを担当した松田が素早いピット作業にも助けられ、トップに復帰。さらに20号車は松本が再度ハンドルを握って間もなくの50周目にリヤデフにトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされてしまう。この後は、もう大澤組に敵は存在せず、難なく逃げ切りを果たして今季3勝目をマーク。ラスト2戦を待たずして、連覇も達成された。

 ST-3クラスでは予選トップだった15号車岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明を、わずか6周で38号車ムータレーシングTWS IS350の阪口良平が逆転。交代をギリギリまで伸ばしトップを走り続けたが、間もなくピットに戻る予定だった45周目にブレーキキャリパーのトラブルによってクラッシュ。またしてもリタイアを喫してしまう。

 上位陣のピットタイミングが異なるため、どこが最後に笑うのか注目されたST-3クラスで、トップチェッカーを受けたのは15号車の長島/田中徹/田中哲也組だった。予選と変わらぬスピード、安定感を武器に久々の優勝を飾った。3位にも195号車の安宅光徳/小泉和寛/輿水敏明組(岡部自動車ZEROSUN195 Z34)が入り、チームメイト同士で表彰台の二角を独占。その間の2位には34号車asset ingsテクノRC350の前嶋秀司/佐々木雅弘/佐藤公哉組が入った。

 ST-4クラスにおける最大の焦点は、終盤に繰り広げられた86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の蒲生尚弥と52号車埼玉トヨペットGreenBrave86の服部尚貴による壮絶なトップ争いだった。後続を大きく引き離して繰り広げられたバトルは、ペースでは服部の方が優っていたものの、最高速では蒲生の方に分が。なかなか逆転できずにいた服部は、コースアウトも覚悟の上でタイヤかすに乗りながら75周目にオーバーテイクを試み成功。その後の逆転を許さず、番場琢と平沼貴之と一緒に、初めて表彰台のてっぺんに立つこととなった。

 ST-5クラスでは予選こそ2番手に留まっていた、69号車大野尊久/梅本淳一組が9周目にトップに浮上。大野~梅本、そして再び大野のリレーを完璧に決めて今季3勝目をマーク。19号車BRP★J’S RACINGフィットの古宮正信/奥村浩一/新垣元組とのワンツーフィニッシュを達成し、王座獲得を早々と決定することとなった。

 次戦は、9月5、6日に岡山国際サーキットで3時間の耐久レースが開催される。

(はた☆なおゆき)