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AnalogfishとHINTOによる『アナログヒント2015』 2組の絆が可視化された渋谷公演レポ

2015年08月02日 16:10  リアルサウンド

リアルサウンド

『アナログヒント2015』の様子。

 AnalogfishとHINTOによるコラボレーション・ツアーの最新版『アナログヒント2015』の渋谷公演が、7月9日に東京・渋谷TSUTAYA O-Westで開催された。


 同ツアーは、HINTOが前身バンドであるスパルタローカルズ時代から交流しているAnalogfishとともに行ってきたもの。2011年から2013年にかけて実施してきたイベントの最新形だ。


 まずはそれぞれのバンドが演奏し、最後に2組が登場して大団円…かと思いきや、いきなり2バンドによるセッション「NIGHTMARE BELIEVER」からライブがスタート。その後、Analogfishは一度ステージを去り、残ったHINTOが「アットホームダンサー」を披露した。2曲目は菱谷昌弘の細やかなハイハット捌きが目を引く「バイトさん」、3曲目に伊東真一のドリーミーなイントロギターと、安部コウセイのしっとりとしたボーカルが印象的な「バブルなラブ」と続け、MCでは安部コウセイが「アナログヒントはずっと続けたいと思っている」と、同イベントの意義を述べていた。


 その後、4曲目には内向きな男の心情を歌った新曲「かるま」を演奏し、5曲目はCHAGE&ASKAの「YAH YAH YAH」をカバー。これが見事にバンドの雰囲気にハマっており、観客にはサビ前までカバー曲だと気付かなかったと思われる反応が多く見られた。同曲を披露したあと、安部コウセイは観客の盛り上がりに「こりゃ方向性変えないといかんかもね」と冗談交じりに述べ、6曲目「はんぶんゾンビ」へ。伊東真一がステージ中央でギターをハードに弾きまくると、ファンからは大きな歓声が上がった。


 7曲目「マジックタイム」では先ほどと打って変わり、伊東のギターはクリーンで清涼感のある音色に。8曲目の「にげる」は、1stフルアルバム『She See Sea』収録の疾走感に満ちたギターロックだ。最後に演奏したのは、Analogfish・佐々木健太郎がリクエストしたというカントリー調の「ひまわりばたけ」。普段は最後に持ってこないような楽曲を演奏するのも、同ライブならではといったところか。


 続いて登場したAnalogfishは、斉藤州一郎(ドラム)のヒップホップ的なビートに合わせて下岡晃がラップする「最近のぼくら」からスタート。続いて佐々木がボーカルを取る「LOW」、2人のユニゾンボーカルがサビを盛り上げる「Town」、グル―ヴィーな低音が会場を包み込んだ新曲を演奏し、5曲目には「My Way」を披露し、観客がじっと耳を傾けて聴きこんだ「Good bye Girlfriend」のあとは、最新作『最近のぼくら』収録の「Nightfever」へ。音源ではゲストボーカルに松尾レミ(GLIM SPANKY)を迎えていたが、この日はHINTOの安部コウセイがステージへ登場。伸びのある歌声を巧みに使い、松尾と同じキーで同曲をしっかり歌い上げた。


 後半は<La La La…>とシンガロングが起こった「There She Goes(La La La)」や、佐々木が「東京、元気かー!?」と観客に問いかけたエモーショナルな楽曲「Fine」を演奏し、ラストはまだ音源化されていない新曲を披露。下岡がこの日一番の熱唱を見せ、熱狂のなか本編が終了した。アンコールは下岡が<失う用意はある? それとも放っておく勇気はあるのかい>と繰り返す、メッセージ性の強い「PHASE」を熱唱。緊張感を孕んだ空気のなか、ライブが終了した。


 ライブを通じて2組の絆がハッキリと可視化されたこの日の公演。安部コウセイの言葉にもあったように、“味”のある演奏を聴かせてくれる同企画の継続と、さらなる発展をこれからも期待したいところだ。(リアルサウンド編集部)