2015年07月31日 12:41 弁護士ドットコム
「一票の格差」が大きいため違憲状態だといわれていた参議院選挙の選挙区の定数が変更された。国会で7月28日に成立した改正公職選挙法では、鳥取と島根、徳島と高知の選挙区を統合するなど「10増10減」の定数変更がおこなわれた。来年の参院選から適用される。
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法改正により、参院選が始まった1947年以来はじめて、都道府県単位の選挙区制度が崩れ、2つの県で1つの選挙区となる「合区」が誕生した。その結果、一票の格差は、最高裁が「違憲状態」と判断した2013年参院選の最大4.77倍から2.97倍へと縮小されることになった。
今回の改正について、一票の格差を問題視し、違憲訴訟を展開してきた弁護士たちはどうみるのだろうか。最高裁の違憲状態判決を勝ち取るなど、「一人一票」訴訟を主導してきた升永英俊弁護士は、7月30日に開かれた記者会見で「10増10減についてどう考えるか」という記者の質問に、次のように答えた。
「もちろん一人一票ではないので、来年7月の参院選があれば、ただちに違憲訴訟を起こす。一人一票の判決が出ることを強く期待しているし、その可能性は十分にあると思う」
このように升永弁護士は、法改正後の新しい参院選の定数も「違憲」であるという見解を示した。
(弁護士ドットコムニュース)