7月25~26日に放送された、フジテレビ系の「FNS27時間テレビ めちゃめちゃピンチってるッ!本気になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん!!」。26日放送のイモトのマッキンリー登頂(日テレ)の感動と比べたら、全く「本気」を感じられない番組だった。フジテレビ、マジでめちゃめちゃピンチってるゾ!
まず、番組のタイトルを見ただけで、なんだか痛い。文字を選ぶセンスが80年代のまま停滞してる。実際の放送はイモトの合間にザッピング程度に観ただけなんだけど、あらためて録画を見返すとお粗末な部分が多い。何よりも嫌気が差したのが、27時間テレビバージョンの「すぽると!」だった。(文:松本ミゾレ)
「本気」の話を聞かず「お遊び」の映像を割り込ませる
スタジオには、先日のFIFAワールドカップで準優勝を勝ち取ったサッカー日本女子代表「なでしこジャパン」のメンバーから、大儀見優季選手と宇津木瑠美が出演。彼女たちの貴重な話が聞けるものとばかり思っていた。
しかし、この前番組枠での企画で行われた、60代芸能人のお遊びみたいな大縄跳びが成功せず、「すぽると!」枠内で再度の挑戦模様が何度も何度も割り込まれたのだ。
現役で海外でも活躍し続けている2選手をスタジオに招いておきながら、ろくに話もさせないというのはあまりに失礼な話じゃないだろうか。画面を見ながら、思わず眉をひそめてしまった。
世界と本気で戦ったメンバーの一角を担っている両選手に、ただスタジオにいてくれればそれでOKとするような対応を、わざわざ全国に向けて放送する。それをフジテレビの「本気」と言うのか。まさに選手が若い女性ならいいという80年代のノリだ。
結局、視聴者はバカで幼稚で騒いでいればいいというノリをそのまま引きずっているのだろう。番組からは選手の健闘への敬意が感じられず、とんでもなく軽薄なものだと僕は感じた。スポーツ選手のインタビューすらまともに聞けないなら、フジテレビがスポーツニュースにかける「本気」がその程度だと、視聴者に判断されても仕方ない。
「ババアマラソン」から昭和のセクハラ臭プンプン
それから、オアシズの大久保佳代子が88キロマラソンに挑んだ企画も印象が悪かった。88キロという数字に、安直にも「ババアマラソン」というタイトルを付けて大々的にウリにしているその姿勢が、いち視聴者としては安易な悪口としか思えなかった。
ギャグとしても、明らかにレベルが低すぎる。若くて可愛い女性は持ち上げ、中年になればババアと嗤う。こちらも昭和世代のセクハラ臭がプンプンする。フジテレビの本気とは、長年局内のバラエティ番組を支えてきた女性タレントに対して、こんな適当で一つも面白くない企画をあてがうようなものらしい。
結局フジテレビの番組の作り手は、いまだにバブルの過去を忘れられない古い感覚のままであるということを露呈してしまった今年の「27時間」。その姿勢が今年の平均視聴率10.4%(ビデオリサーチ調べ)程度という数字に反映したと早く気づいて欲しい。
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