映画『ライチ☆光クラブ』が、今冬に東京・新宿バルト9ほか全国で公開。第1弾キャストが発表された。
同作は、劇団「東京グランギニョル」による舞台『ライチ光クラブ』をもとにした古屋兎丸による同名漫画の実写映画版。原作は、江本純子の演出によって2回にわたって舞台化されており、12月18日からは河原雅彦が演出を手掛ける新たな舞台版が上演される。
物語は黒煙に覆われた町・螢光町と、町の廃工場にある秘密基地「光クラブ」を舞台にした14歳の少年たちによる愛憎劇。大人になることを拒み、光クラブに集う9人の少年が、大人に抗うために「最強の力」と「永遠の美」を手に入れたことから彼らの世界が狂い始める、というあらすじだ。
今回明らかになったのは、9人の少年たちを演じるキャスト。主演を実写版『ちはやふる』といった出演作の公開も控える野村周平が演じるほか、古川雄輝、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音が出演する。メガホンをとるのは、『先生を流産させる会』の内藤瑛亮。撮影は実際の廃工場で行われ、劇中では少年同士の愛も描かれるという。また、今回の発表とあわせて蛍光町の様子などが映し出された特報も公開されている。
■内藤瑛亮監督のコメント
漫画や舞台で語られてきた『ライチ☆光クラブ』という物語を、映画という新たなステージで語る役目を頂いたことを大変嬉しく思っています。原作の古屋さんからは、クリエイターの視点からのご意見をいただき、心地よい緊張感をもって撮影に取り組むことができました。
映画化にあたって、この作品がもつフィクション性の高い世界観を成立させることが一番の難問でしたが、スタッフの皆さんからの知恵を借り「螢光町」という世界を構築できたと思っています。同士愛のシーンでは、昔読んだ『風と木の詩』を思い出しながら、歪んだ内面を抱えた者同士の哀しい繋がりであることを意識しました。キャスティングでは今回、キャラクターがもつ感情の核を体現してくれる俳優の方々に集まっていただき、彼らが演じる狂気に溺れ破滅していく少年たちを一人一人抱きしめるようにスクリーンに映すことに務めました。
■古屋兎丸のコメント
映画企画が走り出してから数年、紆余曲折がありましたが、キャスト、スタッフ共に一流の方が集結してくれたことを嬉しく思います。内藤監督はその物腰の柔らかさからは想像のできないほどのマグマを内に秘めた監督さんで、その感性が本作で爆発しています。何度も脚本を書き直し、「ライチ☆光クラブ」と「ぼくらのひかりクラブ」を合わせた本を作ってくださったので、原作ファンの方々を裏切らない内容になっていると思います。この映画で光クラブのメンバーを演じられた役者さんたちは、皆さんそれぞれ個性を生かし、役に没入してくれました。富士の真冬の廃工場で連日連夜、熱い演技をしてくれた彼らの鬼気迫る姿はまさに光クラブでした。今まで見たことのない彼らの意外な面が見られると思います。
■野村周平のコメント
現場では、若手キャストやスタッフの全員の仲がよかったので、それがいい形で映画に現れていると思います。原作もそうですが、今こういった形で描かれることのない思春期の様子を描いて、とても刺激的な作品です。普段の生活をしていたら絶対に交わることがない世界が描かれているので、今まで体験したことがない経験が必ずできると思います。
■古川雄輝のコメント
舞台版を拝見した事があり、とても好きな作品なので出演する事ができ嬉しく思っています。同世代の役者さんが多く、皆さんとのお芝居は刺激的で面白かったです。原作ファンの方々、そして初めてご覧になる方々にも映画化した「ライチ☆光クラブ」の独特な世界観を楽しんで頂きたいです。
■間宮祥太朗のコメント
閉鎖的な街の中で、鋭角で狭い視野の中で、やみくもに自身にとっての光を探した少年達の狂気じみた思春期を是非観てください。この作品に関われた事を深く感謝しています。